内田篤人はなぜ代表引退を考えたのか 試練が気づかせてくれた“本当の気持ち”

けがをしたことで本当の気持ちに気が付いた内田

 一時は、自ら代表から退く決断を下した。そこで原点に立ち返り、再起した。
 南アフリカW杯の出来事を含め、この4年どれだけ心が揺さぶられただろう。メンタルが強いと言われる内田でさえ、ここまで揺らぐのだ。ただし、最後の最後に、けがをして本当の気持ちに気が付けた。
「W杯のピッチに立ってみたい。どんな景色が広がっているだろう。どうせなら自分の知らない世界が広がっているといい」
 内田はこれまでも、「サッカーの神様」という言葉を頻繁に口にしてきた。
 長期離脱を余儀なくされるけがを負ったときは、「サッカーの神様がくれた休みだと思って、しっかり休むことにする。無理してプレーしていたら、もっと大きな怪我をする可能性がある」ととらえる。
 09年には原因不明のおう吐の症状に悩まされながらも出場を続け、鹿島アントラーズでJリーグ3連覇を成し遂げた。
「最後の最後にサッカーの神様がご褒美をくれた。頑張って、無理して試合に出続けたかいがあったよね」
 そんな内田が、ようやくたどり着いたブラジル。サッカーの神様はどんな結末を用意しているのだろうか。約2年前には代表引退さえ口にした試合後の取材エリアに、内田がどんな表情で現れるのか待ち遠しい。(サッカーマガジンZONE2014年6月発売号に掲載=続きは7月発売号で)

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