「風穴を空けられた」 前々回Vの前橋育英を撃破、神村学園が“4強超え”へ第一関門突破

PK戦の末、勝利した神村学園の選手たち(※写真は入場行進の時のものです)【写真:Football ZONE web】
PK戦の末、勝利した神村学園の選手たち(※写真は入場行進の時のものです)【写真:Football ZONE web】

PK戦の末に強豪に競り勝つ、GK吉山が6人目で殊勲のセーブ

 第98回全国高校サッカー選手権は31日、浦和駒場スタジアムなど首都圏8会場で1回戦の残り16試合が行われ、神村学園(鹿児島)が前々回大会優勝の前橋育英(群馬)をPK戦で下し、2回戦に進んだ。

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 神村学園は相手をしのぐ7本のシュートを放ち、決定機の数でも上回ったが、1点が奪えず0-0からPK戦決着へともつれ込んだ。

 両チームとも3人目まで成功したが、揃って4番手が失敗。5人目はともに確実に沈め、先行の神村学園の6番手・DF成富勝仁のシュートは左ポストを叩いた後、相手GK高橋怜士の背中に当たって幸運にもゴールインした。そして後攻の前橋育英の6人目のシュートを、GK吉山太陽が左に跳んで弾き飛ばし、5-4で競り勝った。

 有村圭一郎監督は「PK戦は止められたと思ったのが入ったりしたので、ウチに流れがあったのかな」と苦笑いしながら成富のシュートシーンを振り返ると、「格上の前橋育英を相手に、引かずに粘り強く戦ってくれた」と、2大会ぶりの選手権制覇を目指した北関東の雄を倒した選手を褒めた。

 4-1-4-1の陣形を採用する神村学園は、前半11分に逆襲から、同15分には左クロスから、さらに同30分にも強烈な中距離弾をいずれも左シャドーのMF濵屋悠哉がお見舞いして前橋育英を慌てさせた。前半アディショナルタイムにはFW寺田聡のシュートが、後半22分にもMF加治屋陸の決定打がゴール内にいた相手DFにともにクリアされるなど、試合の主導権を握りながらも1点が遠かった。指揮官は「ボールを奪ってから(フィニッシュまで)時間がかかってしまったり、判断が遅れた時間帯もあった。ウチは1点取れれば上位に進めるチームだと思うが、手堅い試合になってしまいましたね」と、冷や汗をかいたPK戦に胸をなで下ろしていた。

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河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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