中島や南野がA代表でエースへと飛躍した背景には「心理的安全性」の習得

　菊原氏は中島や南野がトップチームに定着し、エースにまで飛躍を遂げた背景には、アンダー世代で培った「心理的安全性」の処方が大いに役立っていることを強調している。

「A代表でも本田圭佑や長友佑都、香川真司など強烈なメンバーがずっと君臨していたなかで、翔哉とか拓実はすんなり溶け込んで、すんなりポジションを取ってというのは、決して簡単なことじゃない。チームの輪に入っていって、その中で自分の意見を言う。彼らはそういう教育を受けていて、チームが良くなるために自分ができることをやる。拓実がリバプールに評価されたのは守備だったわけです」

　中島はUEFAチャンピオンズリーグ（CL）の常連クラブでもあるポルトガルの名門ポルトで、南野は今冬から昨季CL王者でクラブワールドカップも制した“世界一”のリバプールで戦っていくことになるが、若き頃に身につけた映画のディスカッションが、今後のキャリアでも生かされていくのは間違いなさそうだ。

■書籍概要
［タイトル］『サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質　才能が開花する環境のつくり方』
［著者］菊川志郎／仲山進也
［価格］本体1,500円＋税
［商品URL］http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198649241