久保建英、スペイン移籍後「最低評価」に何を学ぶか 現地記者が指摘した“沈黙”の理由

スペインのラジオ局「カデナ・コペ」のサンティアゴ・レオン記者【写真:高橋智行】
スペインのラジオ局「カデナ・コペ」のサンティアゴ・レオン記者【写真:高橋智行】

レオン記者は「絶好調のオラサと対峙したので苦しんでいた」と指摘

 スペインのラジオ局「カデナ・コペ」のサンティアゴ・レオン記者は試合後、「タケのパフォーマンスは少し悪かったが、今日の試合は彼にとって少し難しいものだったのは間違いない。なぜならセルタは、降格圏から脱出するために必ず勝利を手に入れなければならないハードな相手だった。タケは前半、絶好調のオラサと対峙したので苦しんでいた」と、相手の左サイドバックがこの日は格上だったことを強調した。

 この日のオラサは1点目をアシストしただけでなく、2点目のPKを誘発しており、「マルカ」紙、「AS」紙ともにこの試合で唯一の3点を与えている。

 マジョルカ加入後、チームが劣勢の時でも出場したほとんどの試合でなんらかの功績を残してきた久保にとって、セルタ戦はおそらく最も不満の残るゲームとなっただろう。パスを受ける回数が極端に少なく、やっとボールが入ったとしてもセルタの激しいマークに遭い、簡単には前を向かせてもらえず、ドリブルを仕掛けるスペースすらも与えてもらえなかった。

 実際、セルタは18位に低迷しているものの、モレノ監督が試合前に「セルタは降格圏にいるべきチームではない。クラブの規模や選手のクオリティーを考慮すると、降格圏から脱出しなければいけないチームだ」と語っていた通り、マジョルカよりもあらゆる面で格上だったように思える。引き分けで終わりはしたが、久保が苦しみ、終始主導権を握られたのも頷ける。セルタの意地を見せられた一戦となった。

 久保はこの試合で何を学び、何を今後に活かしていくのか――。まだ成長過程にある今、このような試合経験も必ず今後の糧にしていくはずだ。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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