選手権史に残る50メートルのスーパーFK弾 中京大中京MF辻「最初から狙っていた」

札幌大谷高GKのクセを見抜いた

 約50メートルの鮮やかなアーチがNACK5スタジアムの青空に描かれた。第94回全国高校サッカー選手権大会は1月2日に各地で2回戦が行われ、中京大中京高校(愛知)は札幌大谷高校(北海道)を3-0で破りベスト16へ進出した。

 2-0とリードして迎えた後半12分にスーパーゴールが決まった。センターサークル内でのファウルで直接フリーキックを得ると、中京大中京MF辻星哉は間髪入れずにクイックリスタートを決断。それも、味方へのパスではなく短い助走からそのままゴールを狙った。観衆のどよめきと共に飛んだ超ロングFKは、美しい放物線を描いてそのままゴールへ。3-0とリードを広げ、勝利を確定的なものにした。

 スーパーゴールの立役者には、冷静な分析があった。同じ会場で行われた1回戦で、対戦相手の札幌大谷はGKがかなり前にポジションを取ることを発見していた。

「最初から狙っていました。前の試合を見てGKが前に出ていると思ったので、『ここだ!』と思いました。どこかで打とうと思っていて、体が反応しました」

 ロングシュートは、辻の得意技なのだという。小学生時代からキック力に恵まれ、広いシュートレンジを武器にしてきたそうだ。コンパクトに足を振るのがポイントだというロングキックは、ハーフウェーラインからならクロスバーを軽く超えることが可能だという。練習試合では何度も決めてきたが、公式戦ではこれが初ゴールになった。「全国の舞台で決められて本当に気持ち良くて、嬉しいです」と、声を弾ませた。

 

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