ベンチを盛り上げる3年生GK2人の思いを胸に 駒大の2年生守護神がPK戦で殊勲の好セーブ

尚志をPK戦で3−0撃破! 鈴木の活躍で3回戦進出

 第94回全国高校サッカー選手権大会2回戦は2日、駒沢陸上競技場で駒沢大学高校(東京)と尚志高校(福島)の一戦が行われ、0-0で突入したPK戦を駒大高が3-0で制し、3回戦進出を果たした。

 序盤から攻守の切り替えが激しい試合展開が続いたが、後半は尚志がややペースを握る展開に。それでも駒大高は体を張ってゴールマウスを死守。80分で試合は決まらず、PK戦にもつれ込んだ。そこで輝きを放ったのが、2年生にして守護神を務める鈴木怜だ。

「開幕戦で鈴木がPKを決められた試合後、『ベスト8まで行った5年前の正GKは、PKを止めてヒーローになったんだけどな』とあえて反骨心を煽る言葉を投げた。彼は表面には出さないが、うちに燃えるものを秘めているタイプの人間だからね」

 試合後、大野祥司監督は今日のPK戦を予期していたかのようだった。昨年12月30日に行われた開幕戦の阪南大高戦(大阪)で2-1で勝利したが、後半20分に相手にPKを決められていた。監督は初戦後、2年生守護神に激しく檄を飛ばしていたが、鈴木はその期待に応えた。

「開幕戦のPKは触れたのに決められてしまった。とにかく悔しかった。次のPKは絶対に止めてやろうと思っていた。相手もPK戦に気持ちがこもっている。右足なら、左のコースにきっちりと蹴ってくると思い、それが的中した」

 鈴木は試合後、そう振り返った。1人目のキッカーを止めることで、流れを呼び込んでみせた。PK戦のみならず試合中の好セーブでも大活躍だった2年生GKだが、大野監督は、2人の3年生GKの存在を活躍の要因に指摘する。

 

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