ファンハール節がさく裂 今季から率いるマンUを「私は今破綻しているチームを継承した」と酷評

 オランダ人監督は2シーズン前、リーグ優勝を置き土産に勇退した名将サー・アレックス・ファーガソン元監督の後継者となる難しさについて聞かれると、その質問に毒づいた。

「いや、それには同意できない。私はボビー・ロブソンが3連覇した後のバルセロナの監督を引き受けたが、何の問題もなかった。素晴らしいチームが成功をもたらす。だが、私は今破綻しているチームを継承したと思っている」

 2年前のプレミア優勝チームは昨季、デイビッド・モイーズ元監督が就任すると、迷走を繰り返した。それでもタレントは素晴らしく、この夏もファンハール監督の希望によって移籍市場でサウサンプトンからDFルーク・ショー、アトレチコ・ビルバオからMFアンデル・エレーラを獲得するなど、巨額な資金をつぎ込んでいる。だが、指揮官の考えは違っていた。

「チームに目を向ければ、確かにクオリティーは存在する。ルーニー、ファンペルシー、エルナンデス、ウェルベックがいる。しかし、ファン・マタ、フェライニ、そして、エレーラも存在する。同じポジションをプレーできる選手が多すぎるのだ」

 常々、現有戦力のポジション別のバランスが悪い点を指摘してきた。指揮官は、4-2-3-1とともに、新たに3-4-1-2システムを名門へと持ち込んだ。1つしかないトップ下のポジションを例に挙げれば、現状ではレギュラー候補のマタ、フェライニ、エレーラ、また、ここでは指揮官から言及されなかった香川や、ルーニーまでもが同ポジションでプレーできる。

 トップ下過多を起こしている現有戦力を整理するには、移籍市場で補強、削減を続けるか、コンバートするしかない。指揮官が香川に今季ボランチでの挑戦を命じているのはそのためだろう。

 昨季低迷したとは言え、欧州屈指の名門を「破綻状態」と言い切る奇才が、ピッチ内外でどんな辣腕をふるうのか。そして香川は起用されるのか、それとも放出されるのか。今後も、このオランダ人指揮官の言動、行動は、耳目を集めていくだろう。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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