ミラン黄金期の英雄DF、古巣低迷に拍車をかけた原因指摘 「チームを弱体化させた」
ミラン強化責任者を務めるマルディーニ氏、ミランのオーナー交代について持論
イタリア・セリエAの名門ACミランの黄金期を知る元イタリア代表DFパオロ・マルディーニ氏は、現在クラブの強化責任者を務めているが、イタリア衛星放送局「スカイ・スポーツ」に現状に対するコメントと将来に対する展望を語っている。
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かつてのミランはイタリアの首相も務めた名物オーナー、シルビオ・ベルルスコーニ氏と政治力の際立つアドリアーノ・ガリアーニ氏の体制だったが、中国資本にクラブを売却し、さらに昨季からは米ファンド「エリオット・マネジメント」の傘下にある。マルディーニ氏は「デリケートな状況ではあるが、このオーナー交代がチームを弱体化させた面がある」として、トップの体制が固まらない状況が低迷に拍車をかけたと話す。
今季はマルコ・ジャンパオロ監督でスタートしたものの、すでにステファノ・ピオリ監督への交代も起こっている。それについては「望んでいたわけではないが、苦渋の選択だった。リーグ戦の途中で交代を決断するのは、リーグ戦を諦めるに等しい。それでも我々の選択だ」として、「シーズンに影響を与える考えだったのは否めない」と話している。
しかしながら、ミランには欧州の名門であり、そのプライドを懸けた再建が期待されている。若手も多くなってきたチームではあるものの、あまりにも長い時間を掛けて良いわけではないことをマルディーニ氏も念頭に置いているようだ。
「私の話は重いかもしれないが、ここに呼ばれたということはできるだけ早く高いレベルに戻りたいということを意味している。10年待つつもりはない。長い時間を掛ければ、それだけチームの位置は定まってしまうからだ。もし15年後に再び競争力を高めたいという考えなら、私はここにいないだろう」
ミランはここ数年の成績から見れば、セリエAの中位クラブ、かつての名門という地位に落ち着きつつある。マルディーニ氏は、それこそが危険なことだと認識しているようだ。かつてのような大型補強が難しい状況のなか、いかにしてミランは競争力を取り戻せるのか。レジェンドはその手腕を発揮しなければいけない状況に追い込まれている。
(FOOTBALL ZONE編集部)