再生200万超! ヨルダン女子の粋な“人の壁”が話題沸騰「スポーツより大切なもの」

ヨルダン女子の粋な“人の壁”が話題沸騰(写真はイメージです)【写真:Getty Images】
ヨルダン女子の粋な“人の壁”が話題沸騰(写真はイメージです)【写真:Getty Images】

2018年10月の国内決勝戦、接触プレーでヒジャブが外れた選手を“人の壁”でカバー

 1年前のヨルダン女子サッカーリーグ決勝で生まれた粋な計らいが1年の時を経てネット上で拡散し、話題沸騰中だ。接触プレーで、イスラム教徒の女性が頭髪を隠すために着用する「ヒジャブ」が外れてしまった選手のプライバシーを守るため、相手チームの選手が即座に周りを囲って“人の壁”を形成。海外でも「心温まるビデオ」と称賛の言葉が飛んでいる。

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 米スポーツ専門局「ESPN」は10月24日、公式ツイッターで一本の動画を投稿した。

「スポーツよりも大切なもの。サッカー選手のヒジャブが落ちて髪が見え始めた時、対戦相手は彼女がそれを直す間、それを隠すために周囲に集まった」

 そう説明が添えられた映像は、2018年10月にヨルダンの首都アンマンで行われた女子国内リーグのチャンピオンシップ、シャバブ・アル・オルドン対アラブ・オーソドックス・クラブで撮影されたものだ。

 アラブ・オーソドックス・クラブの選手がタッチライン際から中央に向けて、マーカー2人の間をドリブル突破。すると、必死に止めようとした相手の手が頭に当たり、着用していたヒジャブがずれて頭髪が露出してしまった。

 イスラム教の聖典コーランでは、女性は顔と手以外を隠し、近親者以外には目立たないようにしなければならないとされ、多くの女性は頭髪を隠すためにスカーフのような布のヒジャブをかぶっている。アラブ・オーソドックス・クラブの選手が両手で頭を覆い、髪を隠そうとするのに気付いた相手チームの選手は、1人、2人……と次々と身をかがめている選手のもとに集まり、計5人が円になって“人の壁”を形成。周囲から見えないようにして、ヒジャブをかぶり直すのを助けた。

 英紙「インディペンデント」などによれば、試合は約30秒間中断したという。動画は200万回以上再生されるなど世界から注目を集めており、パキスタンのテレビチャンネル「Geo News」は「素晴らしい行動」と評価。米テレビ局「KABC-TV」も「人の壁を作るスポーツマンシップが称賛されている」と伝えた。インド誌「India Today」も「心温まるビデオ」と記している。

 なお、ヨルダンのフットボール協会は“人の壁”を形成したシャバブ・アル・オルドンの選手5名の名前を、ステファニー・ナベール(8番)、ヒバ・ファハルデイン(18番)、シュルーク・シャティリー(20番)、ヤズミーン・ハイル(7番)、ヌール・ゾカシュ(3番)と発表。ヒジャブが外れた選手に関しては名前を明かさないようにしている。

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