果たしてブラジルW杯の“正確”な検証はなされたのか 決勝に進出した2か国が見せたサッカーの真実と日本が進むべき道

攻守にわたって豊富な運動量を誇ったドイツの凄さ

 こうしたディフェンスを支えているのは、マイボール時に相手のスキを突くアイデア(Idea)を考えながらパス交換をしている選手の後方で攻撃のチャンスと守備に回った時のリスクを同時に考えている選手のインテリジェンス(Intelligence)だ。そしていざボールを奪われてしまった時に実際に行動に移す運動量と強度の高い動き(Intensity)である。

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 この表はドイツと対戦相手のインプレー時の走行距離だ。全ての試合でドイツが相手より「走って」いたのが一目でわかる。大事なのは相手より「いつ」多く走っていたかだ。これまでは守備時にはなるべく走らないように、攻撃時に一気にパワーをかけるという考え方が一般的だった。今回のドイツはポゼッション率が高かったためそもそもマイボール時に多くの距離を走っていた。それはアルジェリア戦を除いた全試合で相手の守備者より長い距離を走っていた。しかし相手がボールを保持すると、その相手よりも10%以上多く走っていたのが分かる。

 いつ走るか、の「いつ」の部分が守備の時であっても走っていたということはドイツの隠された強さの要因だ。それは自由に前線で動いていた選手の自陣への帰還、相手がボールを動かすたびに動き直すこと、即ちPOSITIONからPOSITIONへの移動、即ち継続的なPOSITIONINGというINGという継続動作の積み上げの結果だ。

 

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