果たしてブラジルW杯の“正確”な検証はなされたのか 決勝に進出した2か国が見せたサッカーの真実と日本が進むべき道

決勝でパスの成功率が10%以上も下がったメッシ

 では決勝戦を振り返ってみよう。

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  決勝戦のデータを見る限り、ドイツはいつものドイツだった。相手よりも10%多く走り、これまで通り相手を圧倒し、決勝戦で勝利するにふさわしいデータとなっている。同数だったシュートも枠に飛んだシュートを見ればドイツ5本に対しアルゼンチンは0本だった。唯一違う点があるとすればクロスのデータだ。

 アルゼンチンは準々決勝以降のアルゼンチンだった。相手との力関係から無理をせず最後はメッシの決定力に期待する「戦術」を取った。どのチームも「メッシ」がアルゼンチン最大の武器であることは認めているため、それなりの対策を打ってくる。

 そんな中でもメッシには40回前後のパスを出すチャンスが与えられる。そのパスの精度をどれだけ下げられるかが相手チームの対策の優劣となる。メッシのグループリーグの3試合の相手陣内でのパスの成功率の平均は約85%、決勝トーナメントでの3試合の平均は約75%だった。決勝戦ではその成功率はさらに10%以上下がり65%を切った。

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