スコアレス後のPK戦を制したオランダが、準優勝の前回に続く2大会連続のベスト4へ

 ベスト4最後の枠を争う準々決勝第4試合は、日本時間76日、サルバドールのアレナ・フォンチノバで行われた。オランダとコスタリカの一戦は延長戦でもスコアが動かず、PK戦までもつれた。5人中2人が失敗したコスタリカに対し、オランダは4人のキッカーが全て成功。初の8強入りから、さらなる大番狂わせは起こせなかったものの、凱歌(がいか)をあげられなかった英雄たちは、顔を上げたままブラジルを去って行くだろう。

 この日、オランダMFウェスレイ・スナイダー(ガラタサライ)は運にも見放された。後半37分に直接FKがポストをたたき、延長後半14分に放ったシュートはバーに弾かれた。彼がそうだったように試合中、オランダの選手たちは何度も天を仰いだ。

 対照的にGKケイラー・ナバス(レバンテ)は、ビッグセーブを連発するたびに両手をクラップさせて仲間を鼓舞した。後半ロスタイムには、ロビン・ファンペルシー(マンチェスター・ユナイテッド)のシュートをゴールライン際で防いだイェルツィン・テヘダ(サプリサ)は、その場で右腕を2度振り、たぎる思いを吐き出した。

 そうした姿は、彼らの原風景そのものなのかもしれない。首都サンホセにあるサバナ公園や教会などでは、ネットのない枠にシュートを飛ばし、必死でそれを守る子どもや、大人たちに出会えるからだ。準々決勝で敗れはしたが、そのプレーの数々は世界中の人々が目撃した。コスタリカがブラジルで起こしたジャイアント・キリングは、多くの人に胸を熱くさせる記憶として残っていくだろう。

 

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

※ワールドカップ期間中、記事内で扱うシーンの一部はFIFAワールドカップ公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』のマルチアングル動画、選手毎のスタッツデータで確認できます。
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