ブラジルW杯の取材に訪れて早3週間 ブラジルは本当に「危ない国」なのか?

 お礼を言って、バスに乗り込もうとしたときだった。優しい表情をしていた彼が突然真剣な目つきになった。そして、僕がお金をだしたカバンを指差し、その指を自分の目元に運んだ。万国共通のジェスチャーだ。「スリに狙われるから、ちゃんと見ておけ」という。

 ブラジルでは、こんな風にスリに気をつけろと何度も言われた。スマホを持って歩いていたら、通りすがりのおばちゃんに「しまいなさい」と注意されたこともある。つまり、それぐらいスリが日常的に起こっているということなのだろう。もしかしたら、僕にアドバイスした人も被害に遭ったことがあるのかもしれない。

 ブラジルは危ないところ――。出発前にテレビや新聞で刷り込まれたイメージは、ブラジル生活3週間でずいぶんと違うものになっている。日本のテレビや、新聞ではブラジルの治安の悪さを煽るニュースが大量に流されていた。警察とデモ隊が激しく衝突していたり、家電量販店からモノを盗んでいたり……。ブラジルに来ていなければ「そんなところなんだ」と思っていたかもしれない。

 ただ、僕がブラジルに来てからは、そんな場面は目にしていないし、トラブルにも1回も巻き込まれていない。僕だけが幸運なのかといえば、そうではない。ブラジルに訪れた日本人の多くは、この国に良いイメージを持っていると思う。

 とはいえ、油断は禁物だろう。僕の周囲でも、強盗被害こそまだないものの窃盗にあったという話はよく聞く。日本人メディアの中にも、商売道具のカメラ機材を盗まれた人がいたという。また、メキシコ人のカメラマンがホテルの外に出て、戻ってきたら部屋に置いてあった荷物が丸ごと消えていたという悲惨な話もあった(しかも、メディアホテルで!)

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