“日本キラー”ケーヒルと「狂気の6分間」 豪メディアが功績称える「中村俊輔らと…」

2006年ドイツW杯の日本戦で2得点を挙げたFWケーヒル【写真:Getty Images】
2006年ドイツW杯の日本戦で2得点を挙げたFWケーヒル【写真:Getty Images】

現役引退のケーヒルを特集 「21世紀におけるアジアサッカー界のビッグネーム」

 サッカー界における“日本キラー”と言われて、誰の名前が最初に思い浮かぶだろうか。ワールドカップ(W杯)出場6回を数え、アジア予選を通じても多くの強豪国と対戦を重ねてきた日本代表だが、ことごとく得点を許してきたという意味ではオーストラリア代表FWティム・ケーヒルに並ぶ存在はいないだろう。そのケーヒルが先日、現役引退を表明した。オーストラリア公共放送「SBS」は「ケーヒルがアジアのビッグスターとなるまで」と題して、その足跡を追っている。

 もともとはオセアニアサッカー連盟(OFC)に所属していたオーストラリアが、アジアサッカー連盟(AFC)に加盟したのは2006年のこと。OFC所属扱いでの参加となった同年のドイツW杯では日本と同組になり、終盤のゴールラッシュで3-1の逆転勝利を収めている。この時にケーヒルが挙げた2得点が、日本との因縁の始まりだった。「SBS」は次のように記している。

「狂喜の6分間、そしてスターが誕生した。一過性のものではない。ケーヒルは21世紀におけるアジアサッカー界のビッグネームとなったのだ。MFハリー・キューウェルやFWマーク・ビドゥカはより才能に恵まれていたし、築き上げたクラブキャリアも素晴らしい。しかしAFC加入後のアジアに与えたインパクトは、ケーヒルほどではない」

 ドイツW杯が代表で最後の舞台となったアジアのスターは多く、MF中田英寿をはじめ、イラン代表FWアリ・ダエイとサウジアラビア代表FWサミ・アル=ジャバーらが代表を去った。その後のアジアでの戦いにおいて、「日本のMF中村俊輔、韓国のMFパク・チソン、イランのFWアリ・カリミらとともに次の時代を象徴したのがケーヒルだった」と「SBS」は回顧。プレミアリーグとメジャーリーグ・サッカー(MLS)でのプレーを終えてから、中国とインドに渡ったことにも触れ、「他のプレーヤーに影響を与え、試合に向けた最高の準備を示した」と、その功績を称えている。

 2015年の地元開催でのアジアカップ優勝にも貢献したケーヒル。「SBS」は「アジアサッカー界はケーヒル不在によって寂しくなるだろう」と結んだ。ケーヒルの存在によるところも大きかった日本とオーストラリアの“ライバル関係”が今後、どうなっていくのかも注目だ。

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング