激化する左サイドの定位置争い 危機感を募らせる宇佐美が渾身のアピール弾

戦況を見極め、相手の隙を逃さずA代表2得点目

 日本代表FWの宇佐美貴史(G大阪)が、8日のロシア・ワールドカップ2次予選のシリア戦で、後半21分からFW原口元気(ヘルタ)に代わって途中出場した。背番号10を背負うMF香川真司(ドルトムント)らと好連携を見せた男は後半43分、FW本田圭佑(ACミラン)のヒールパスをエリア内で受けると、右足を振り抜きシリアゴールを破った。自身A代表2得点目は貴重なダメ押し弾となり、日本はグループ最大のライバルと目されたシリアに3−0で快勝した。

 ベンチから戦況を見つめていた宇佐美の目には、「見ていてすごく難しそうな展開だった」と得点が奪えずに苦戦するチームメートの姿が映っていた。しかし、後半に入ると「時間が経って相手の足が止まっているのが分かった」と、シリアの隙を見逃さなかった。さらに、日本が本田のPKで先制点を奪ったことで、流れを完全に掴んだと感じ取り、「1点が入ってからは向こうが崩れて、こっちの展開になったと思う」と試合を振り返っている。

 得点シーンについては、「その前のキヨ君(清武弘嗣)の素晴らしいパスに始まり、(本田)圭佑君も良いところに落としてくれて、僕が最後にシュートを打つだけというところに持っていってくれた。その流れというか、チームメートに感謝したい」と、周囲のサポートがあってこその得点と主張した。

 9月のカンボジア戦、アフガニスタン戦に続き、宇佐美はこの日も先発から外れた。代表では左サイドでの起用が続くが、ここ2試合は原口がスタメンを務めている。また、20歳のFW南野拓実(ザルツブルク)の台頭もあり、宇佐美自身は危機感を募らせている。

 

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