PK献上を挽回しょうと奮闘した今野泰幸。積極的なプレーも勝利という結果につながらず

 前半16分にエリア内で相手FWを倒し、PKを与えてしまった。今野はその痛恨のワンシーンを振り返り、「自分のタイミングでいけると思った。ボールにいったとは思うけど…」と言葉を詰まらせた。その後は、自らの失態を挽回しようと必死だった。後半29分には積極的な攻撃参加からシュートを放ったが、ボールはGKの正面に飛んだ。

「勝たなければいけない試合で、(PK献上の)あのプレーで苦しくしてしまった。だけど、使ってくれた監督には感謝の気持ちしかなかったし、下を向いていても仕方ない。取り返してやろう、という気持ちだった」

 しかし、その思いは実らず。チームは相手の鋭いカウンターの前になすすべなく、失点を重ねて大敗を喫した。「コロンビアはスピーディーだし、個でも1人でかわしてくる能力がある。前半から圧力がかかっていましたが、後ろが我慢できなかった」と言い、口をつぐんだ。

 取材陣から「やってきたサッカーは正しかったと思うか」と聞かれると、黙考して何とか言葉にしようと試みたが、うまくいかなかった。

「思いつかない。頭が真っ白というか…、今は冷静に考えられない。何が正解なのかは分からない」

 責任を背負い、足取り重く会場を後にした。今野泰幸が4年間、追い求めたブラジルの地は、苦い記憶を残す場所となってしまった。

 

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

※ワールドカップ期間中、サッカーマガジンゾーンウェブが記事内で扱うシーンやデータの一部はFIFAワールドカップ?公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』で確認できます。
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