日本代表「ベトナム戦出場14人」を金田喜稔が採点 「しっくりいっていない」選手は?

無失点に抑え勝利に貢献した権田【写真:©AFC 】
無失点に抑え勝利に貢献した権田【写真:©AFC 】

イージーミスがあったGK権田「一流のチームが相手だったら確実にやられる」

<DF>
■酒井宏樹(マルセイユ)=★★★★

 イエローカードを1枚もらっているなか、この試合で警告を受けると次戦は出場停止となってしまう。DFとして難しい状況でのプレーを強いられたなか、球際の攻防では少し抑え気味だった。攻撃時も堂安を追い越す動きはいつもに比べて少なく、やや物足りなさの残るパフォーマンスだったが、最終ラインの一員として無失点で耐え抜いたことは評価したい。

■冨安健洋(シント=トロイデン)=★★★★

 吉田らの4つ星評価よりも、印象としては「4.5」に近いパフォーマンス。今大会で4試合に先発してきたが、試合を重ねるごとにプレーの安定感は上がってきている。20歳という若さ、A代表で初の公式大会ということを考えたら予想を上回る成長力を示している。ベルギーで日々揉まれてきたこともあり、計算できるセンターバックになりつつある。

■吉田麻也(サウサンプトン)=★★★★

 前半38分にはGK権田からの際どいパスを受けボールロスト、あわや失点という危険なシーンを作ってしまった。またその他のビルドアップでも、少し自分のパスで動かそうという意識が強かったのか、縦へのパスを急ぎ過ぎている部分もあった。シンプルにさばく、あるいはボランチとの関係のなかでスムーズなボール回しを求めたい。ただし、要所ではプレミアリーグで長くプレーするセンターバックであることを証明。自陣ペナルティーエリア内では相手に確実につき、最後の局面では体を張ってシュートコースを防ぐポジショニングの上手さはさすがの一言。締めるところは締めていた。

■長友佑都(ガラタサライ)=★★★★

 長友も右の酒井と同様、ベトナム戦では前方の原口を追い越す動きは少なかった。相手が5バックで前線に1枚しか残っていなかったことを考えても、もう少し前への意識を高めてもいいように見えるが、全体的に抑えてプレーしているように見えた。そこはリスクを避けるための森保監督の指示だったのかもしれない。結果的に無失点で勝利しており、最終ラインの一員として役割は果たした。

<GK>
■権田修一(サガン鳥栖)=★★★★

 無失点に抑えて勝利に貢献したことは評価したい。ただ、吉田に際どいパスを出してボールを奪われ大ピンチを招くなど、危ないシーンもあった。センターバックとの関係性はまだ整理されていない印象で、最終ラインの背後に出たボールに対してどのタイミングでGKが出て行くのかなど、今大会で4試合もゴールを守っているのだから、お互いにコミュニケーションを取って作っていかないといけない。あのようなイージーなミス、セーフティの概念から外れたパスは一流のチームが相手だったら確実にやられる。

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金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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