日本代表「ベトナム戦出場14人」を金田喜稔が採点 「しっくりいっていない」選手は?

スタメン出場の原口【写真:田口有史】
スタメン出場の原口【写真:田口有史】

確信を持っていないように見える原口「無難だけど物足りなかった」

■南野拓実(ザルツブルク/→後半44分OUT)=★★★

 今大会はここまで4試合に出場して得点を奪えていない。シュートを打てていないわけではなく、ベトナム戦でも安定的に打っており、特に後半32分のシーンで迎えた相手GKとの1対1の場面は決めてほしかった。この大会で点が取れていない苦しさを本人も味わっているはず。1トップの北川との関係性も、お互いが動いてスペースを空けるなど、あまり良かったとは言えなかった。

■原口元気(ハノーファー/→後半33分OUT)=★★★

 決して遠慮しているわけではないだろうが、原口の表情や振る舞いを見ていると、どこかしっくりいっていない印象だ。ピッチになじまないのか、試合当日の感性が合わなかったのか、無難だけど物足りなかった。南野や北川との関係性、あるいは後方の長友がこの日はあまりオーバーラップしていかないなかで、悪いプレーではないが右のインフロントで中に折り返したり、左足でクロスを供給したりというプレーには、原口自身がどこか確信を持ってやっているようには見えなかった。もっと自分を使えとか、周りを使うためにこういうプレーをしろとか、自分の我を左サイドで出してもいいのではないかと思う。

■遠藤 航(シント=トロイデン)=★★★★

 4つ星評価だが、限りなく5つ星に近い活躍。中盤でボールを奪取する能力は本当に高く、安定感は際立っていた。必要以上に攻撃参加する必要はなく、チームが攻めている時のリスク管理が主な仕事であり、特に中盤のルーズボールに対するキープ力や奪取力には持ち味が存分に発揮されていた。準決勝のイラン戦でも、間違いなく日本のキーマンとなる。

■柴崎 岳(ヘタフェ)=★★★★

 グループリーグ第2戦オマーン戦の後半から、柴崎らしい“雰囲気”が見られるようになってきた。コンディションも上がってきている。もちろん、素晴らしいパフォーマンスを見せたロシア・ワールドカップ時の状態にはまだ戻っていないが、司令塔としてゲームの中でたくさんボールに触り、自分で仕切っていくんだという意欲は、確実に高まってきている。

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金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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