日本代表「ベトナム戦出場14人」を金田喜稔が採点 「しっくりいっていない」選手は?

(左から) 吉田、堂安、南野、柴崎、北川【写真:田口有史 &  Getty Images】
(左から) 吉田、堂安、南野、柴崎、北川【写真:田口有史 & Getty Images】

堂安のPKで1-0と勝利 1トップ北川は「ゴールに絡めていないのは反省すべき」

 日本代表は24日、UAEで開催されているアジアカップの準々決勝でベトナムに1-0と勝利し、ベスト4に進出。28日の準決勝で強豪イランと対戦することが決まった。

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 躍進を遂げるベトナムとの一戦は、準々決勝から導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が脚光を浴びる展開となった。日本は前半24分にDF吉田麻也(サウサンプトン)のゴールが取り消しとなる判定を受けた一方、後半12分にはVARによって獲得したPKをMF堂安律(フローニンゲン)が決めて、これが決勝点に。今大会で5試合連続となる1点差勝利と勝負強さを見せたものの、ラウンド16のサウジアラビア戦(1-0)に続いて流れのなかからゴールを奪うことができず、課題の残る一戦となった。

 1-0という拮抗したゲームのなか、勝利に貢献するパフォーマンスを見せたのは誰だったのか。1970年代から80年代にかけて「天才ドリブラー」としてその名を轟かせ、日本代表としても活躍した金田喜稔氏が、プロフェッショナルな視点でベトナム戦に出場した全14選手を5段階で評価(5つ星が最高、1つ星が最低)。ベスト4進出を決めたとはいえ、2点目を奪えなかった攻撃陣には物足りないとの評価が並んだ。

  ◇    ◇    ◇

<FW>
■北川航也(清水エスパルス/→後半27分OUT)=★★★

 清水では基本的に2トップでプレーしているため、1トップとして求められる動きに慣れていないという印象だ。動きすぎるのではなく、相手のボランチとセンターバックの間の中途半端なポジションに構えて、味方のボール保持者が前を向いた瞬間に逃げていくとか、最初から相手DF間のマークをつかみにくい場所にポジションを取って、味方がパスを出す瞬間にサイドの背後へ流れたり、引いて足下で受けたり……。今の“1トップ”北川は、相手DFの視野にボールと一緒に入ってしまっていて、DFからすれば前に行くだけで対応できるようなポジショニングになっている。また今大会、ここまで3試合で先発出場のチャンスを得ながら、直接ゴールに絡めていないのは大いに反省材料だ。

<MF>
■堂安 律(フローニンゲン)=★★★★

 自らの仕掛けからPKを獲得し、貴重な決勝点を奪った。もっともこの試合での堂安は、唯一のゴールを奪っただけでなく、右サイドから中にカットインしてからのシュートなど、自分の形をしっかりと示していた。試合を通して、ベトナムにとって十分危険な存在になっていたと思う。20歳ながらすでに風格を備えており、自分でも仕掛けられるし、味方も使える。今大会はこれで2ゴール。次戦のイラン戦は攻撃陣の柱として、真価が問われる一戦になるだろう。

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金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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