「今までやってきたことを信じて」。コロンビア戦の出場と勝利に意欲を高める森重真人

「そんなに悪くなかったと思っている。相手の守備が良い中で、(本田)圭佑くんがボールを受けられるシーンもあったし、最後の精度だけだった。あれだけ(相手に)引かれている中で、全体的には悪くなかったかなと。後半は相手がハッキリとした戦い方をしてきて、どう崩すかが課題だった。最後の一工夫、ゴール前に迫るアイデアがもう少しあれば良かった」

 ギリシャ戦の結果によって、624日(日本時間25日)のコロンビアとの1次リーグ第3戦を勝利した上で、同時刻にキックオフする同組のコートジボワールが引き分け以下に終わらなければ、決勝トーナメント進出の道が閉ざされることになった。

「自分が代表に入ったこの1年の中で、ここまで苦しいのは初めて。だからこそやりがいがあるし、誰かがやってくれるとかじゃなく、チーム全員で喋ってクリアにしていく。全員で解決策を見つけていけたらと思う」

森重は所属するFC東京でのトレーニング中、おかしな掛け声を繰り返したことがあった。「ダヴィ1、ダヴィ2、ダヴィ3…」。周りの選手が「何それ」と笑うと、声の主は真顔で答えた。「いや、負けたから。悔しさを忘れないために」。リーグ戦で鹿島アントラーズのFWダヴィに11で力負けし、チームも敗れた苦い記憶を、そうやって心にとどめておくというのだ。言葉にするのはあまり得意ではないが、反骨心を静かに燃やすタイプなのだ。その森重が本音を吐き出した。

「やっぱり試合に出て、いろいろ感じたいというのはある。1試合目に出て、次はもっとこうしたいという思いがあったし、それを次の試合にぶつけたいというのもあった。(1試合目は)チームがうまくいってなかったので、2試合目でもう1回出て、何とか勝利につなげたいという気持ちが強かった」

 コロンビア戦では得点が必要となる。フィードとビルドアップの能力は折り紙付きだが、サンフレッチェ広島ジュニアユース時代はFWの一角を担った彼には得点能力も備わっている。「自分ができる範囲というのは、今までやってきたことしか出せない。今までやってきたことを信じて、チームのために(それを)出すことが一番だと思う」。W杯開幕前の最終調整試合で記録したアシストが実証する高い攻撃能力は、1次リーグ最終戦で必要となるときが来るだろう。

 

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

 

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