大迫は「日本のフィルミーノ」になれるか? 万能FWの“トップ下起用”に見るヒント

日本代表FW大迫【写真:AP】
日本代表FW大迫【写真:AP】

アジアカップ初戦でトルクメニスタンに3-2と大苦戦、存在感を見せた“W杯組”

 アジアカップの初戦、日本はトルクメニスタンに3-2で勝利した。最悪と言っていい出来だったが、この大会の初戦はいつもだいたいこんなものだ。

 アジアでの戦いでポイントになるのは、「相手の引いた守備ブロックをいかに崩して点を取るか」。そして、日本が押し込む展開になるので必然的に「カウンター・ケア」。この2点がほぼすべてなのだが、どちらもチームとして準備ができていなかったのは、ショックですらあった。

 そんななかでも原口元気が左サイドで攻撃の起点となり、柴崎岳は98本のパスを通した。そして大迫勇也はハンパなく2得点。若返ったように思えた日本代表だが、フタを開けてみれば苦しい試合で結果を出したのは「ロシア・ワールドカップ組」だったわけだ。

 南野拓実はこれといって見せ場も作れず。堂安律は1得点を決めたが、トルクメニスタンの先制点のきっかけとなるパスミスもしている。ボランチで起用された冨安健洋もポテンシャルは見せたが、ポジションを逸脱しすぎてカウンター・ケアが機能しなかった原因にもなっていた。すでに中島翔哉は負傷離脱、日本の誇る若き“2列目トリオ”はコンビになっている。

 南野と堂安は、こんなものではない。2戦目から調子を上げてくるはず。ただ、彼らに期待しすぎてもいけないのかもしれない。仮に2列目がこのまま機能しないとすると、もう頼れるのは大迫だけだ。もっと言うと、大迫に頼ったほうがいいのではないか。

 イメージとしてはリバプールのロベルト・フィルミーノだ。

 足下よし、空中戦よし、ポストプレーが上手くて、スルーパスもある。ドリブル突破もできる。まさに万能のアタッカーなのだが、守備も献身的に行う。何か一つが突出したタイプではなく、そんなにびっくりするようなプレーもしない。だが、モハメド・サラーやサディオ・マネが活躍できるのは、フィルミーノがいてこそだと思う。

 今季の序盤戦、フィルミーノはいつものセンターフォワードでプレーしていたが、シーズン半ばでトップ下にポジションを変えた。トップにはサラーが入り、右サイドにジェルダン・シャキリが起用されている。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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