“韓国のメッシ”、予備登録外からの追加招集に母国紙も驚き 「意外という見方が大半」

韓国代表のMFイ・スンウ【写真:Getty Images】
韓国代表のMFイ・スンウ【写真:Getty Images】

初戦の前日にベント監督が抜擢、第1戦のフィリピン戦では出番訪れず

 韓国代表MFイ・スンウ(ヴェローナ)にアジアカップ出場のチャンスが巡ってきた。

 7日にグループリーグ第1戦のフィリピン戦(1-0)に臨んだ韓国代表。そのベンチには、前日の6日に21歳になったばかりの若きアタッカーの姿があった。

 大会前に発表された登録メンバーには当初FWナ・サンホ(光州FC)が入っていたが、昨年12月の練習中に右膝を痛め、離脱を余儀なくされた。それに代わって大韓サッカー協会がフィリピン戦前日の6日に、追加招集すると発表したのがイ・スンウだった。大会の予備リストにも名前がなかったイ・スンウを抜擢したことを、韓国メディアは驚きを持って伝えている。

 韓国紙「国民日報」は「予備リストに名前がなかったイ・スンウの追加招集は“意外”という見方が大半だ」と、イ・スンウの抜擢は誰もが予想していなかったことと指摘。さらに「負傷によってチームに穴が空いた場合、通常、予備リストにいる選手で埋めることが一般的だ。それにチームの練習に同行し、最後まで足並みを揃えているという長所もある。ただ、パウロ・ベント監督が選んだのは昨年10月のAマッチ以降、代表から外れていたイ・スンウだった」と伝えた。

 それにしてもなぜ、イ・スンウが選ばれたのか。

 その理由についてベント監督は「ナ・サンホと同じく、サイドと攻撃型MFとしての役割が期待できるから」と話している。特に負傷離脱したMFナム・テヒ(アル・ドゥハイ)やクラブチームとの合意でグループリーグ第2戦まで出場できないFWソン・フンミン(トットナム)の穴を埋める役割が期待されている。

 “韓国のメッシ”と呼ばれて久しいが、ポテンシャルの高さは韓国内でも認められている。フィリピン戦で出場機会は巡ってこなかったものの、千載一遇のチャンスをものにできるか注目だ。

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(金 明昱 / Myung-wook Kim)



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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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