桐光学園、四中工が初戦敗退で涙 常連校を襲った“負けたら終わり”の一発勝負の怖さ
中村俊輔の母校・桐光学園、浅野拓磨の母校・四中工が初戦でまさかの敗退
第97回全国高校サッカー選手権は31日に1回戦が開催され、東福岡(福岡)や星稜(石川)といった全国優勝校が順当に初戦突破を決めた。その一方でこれまでに日本代表を輩出し、今回も注目選手を抱えていた桐光学園(神奈川)や四日市中央工業(三重)が初戦で涙をのんだ。
元日本代表MF中村俊輔、現U-21日本代表FW小川航基(ともに現ジュビロ磐田)らを輩出した桐光学園。今夏行われたインターハイでは準優勝を果たしたチームにおいて、エースは2年生のU-16日本代表のMF西川潤が担った。U-16アジア選手権でMVPにも輝いたアタッカーを中心に守備力も高いチームを構築したが、初戦の相手は大津(熊本)。湘南ベルマーレ入団内定のDF福島隼斗らを擁するなど九州屈指の実力を持つこともあり、1回戦屈指の好カードとなった。
しかし、試合は意外にも一方的な展開となった。前半5分に大津のFW大崎舜のヘディングシュートで先制すると、10分にはMF大竹悠聖が追加点をマーク。2点を追う桐光学園は攻勢を強めたが福島らの大津守備陣を崩せず、後半に入り大竹にハットトリックを許すなど、まさかの0-5大敗となった。
ハノーファーに所属するFW浅野拓磨らを輩出した「四中工」こと四日市中央工業も年を越せなかった。今大会でも2019年シーズンにJ1に昇格する松本山雅FCへの入団が内定しているDF山本龍平がキャプテンを務め、秋田商(秋田)との初戦に臨んだ。試合が動いたのは前半34分、秋田商が中央から左サイドに展開し、折り返しのクロスを受けたFW長谷川悠が鮮やかにゴール右隅を揺らして先制点を奪った。
追いつきたい四中工だったが、後半28分にCKからの流れのクリアが秋田商MF富田蓮史郎に当たってしまい、ボールは無情にもゴールラインを割り、万事休した。勝利した秋田商は秋田県勢として14大会ぶりの選手権勝利を手にしたのとは対照的に、四中工は1991年度大会以来の優勝は夢と消えた。
“負けたら終わり”のトーナメント戦ゆえの怖さが常連校にも襲い掛かった2018年の大晦日。明けて2019年1月2日には前年度優勝校の前橋育英(群馬)、青森山田(青森)、流通経済大柏(千葉)といった強豪が登場してくるが、彼らは初戦の重圧を振り払うことができるか。
(FOOTBALL ZONE編集部)