ポスト内田、長友になれるのか ハリルジャパンの両翼、ダブル酒井に掛かる期待

チーム内競争の活性化こそが成長につながる

 一方で、左サイドで長友との争いになるのが酒井高徳。今夏の移籍市場で、旧知のブルーノ・ラッバディア監督が熱望してハンブルガーSVへ移籍した。イタリアの名門インテルでプレーする長友という壁は高いが、それでもレギュラー獲りへの思いは強い。
「(代表でレギュラーを獲る)そのためにチームでもやっている。何も言い訳せずに、出るためにやっている」
 日本代表の両サイドバックは、2010年南アフリカワールドカップ当時の日本代表を率いた岡田武史監督の時代から、内田と長友が定番になっている。激しい競争が存在することがチームのレベルを上げ、選手たちの成長につながるはずだ。2014年ブラジル大会に臨んだアルベルト・ザッケローニ元監督にはメンバー固定の方針が顕著だったが、グループには新陳代謝も必要だ。
 その意味でも、彼らに対する期待は単純なプレー面だけではない。ポスト内田、ポスト長友が出現することは、日本サッカーにとって重要なことだ。
 初出場となった1998年フランス大会から連続出場が続いているワールドカップへ向け、アジアでの戦いが始まっているハリルジャパン。アジア二次予選初戦のシンガポール戦でまさかの引き分けと、暗雲立ち込めるスタートになっている。9月3日にはカンボジア、8日にはアフガニスタンと対戦するが、ここでは確実な勝利が求められる。中央を固めてくることが想定される相手に対し、ダブル酒井が両サイドが攻めたてることで、活路を開きたい。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング