本田定位置争い激化へ ミランがスロバキア代表の肉体派ボランチを緊急補強
バロテッリに続いてジェノアMFクツカ獲得 ハードマークが信条
日本代表FW本田圭佑の所属するACミランが移籍市場閉幕迫る中、中盤の補強を成功させた。ジェノアからスロバキア代表MFユライ・クツカを獲得する交渉がまとまり、メディカルチェックを終えた後に正式契約が結ばれることになった。イタリア地元紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が報じている。
2011年1月にジェノアに加入したクツカは身長186センチ、体重84キロという強靭なフィジカルを誇る。4シーズン半で合計127試合に出場して9ゴール。主力として活躍してきた。スロバキア代表としても、10年の南アフリカワールドカップに出場し、イタリア戦で勝利している。
ハードマークが身上のプレーヤーであり、現状では元オランダ代表MFナイジェル・デヨンクと同タイプになる。一方で、シニシャ・ミハイロビッチ監督は0-2で敗戦したリーグ開幕戦のフィオレンティーナ戦後に「中盤で負けた」と繰り返しコメントするなど、その引き締めと補強の必要性を説いていた。それだけに、指揮官のニーズとチーム状況に合う選手を獲得したと言えるだろう。
リーグ開幕戦では、トップ下に本田、アンカーにデヨンク、両サイドをアンドレア・ベルトラッチとジャコモ・ボナベントゥーラの両イタリア代表MFが務めていた。しかし、ミハイロビッチ監督が中盤の強度を上げるためにクツカとデヨンクを同時起用する選択肢を持てば、ボナベントゥーラが押し出される形で、プレシーズンに予想されていたようにトップ下のポジションを本田と争う構図に戻る可能性がある。
移籍市場の最終盤に来て、イタリア代表FWマリオ・バロテッリを獲得するなど、積極補強をストップしていないミラン。そのバロテッリがトップ下のポジションでトレーニングしたというレポートや、今回のクツカ加入によるチーム内での玉突き現象など、あらためて鬼軍曹と恐れられるミハイロビッチ監督率いるミランのレギュラーに安泰の2文字がないことが示されている。3シーズン連続でエースナンバーの「10番」を身に付けている本田だが、常に厳しいチーム内競争にさらされている。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images