元横浜Fジーニョの多才な“今” 日本での2年半に感謝「日々の小さな喜びを共有できた」

母国ブラジルのサッカー番組などに多数出演している【写真協力:藤原清美】
母国ブラジルのサッカー番組などに多数出演している【写真協力:藤原清美】

日本での生活は「家族と日々を分かち合うことの価値を教えてくれた」

 第二の人生でも常に成果を挙げながら歩んできたジーニョ。その秘訣は、いったいどこにあるのだろうか。

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「自分のやっていることに対する愛情かな。選手時代は、サッカーをプレーするのが楽しかった。タイトルを争うとか、毎朝起きてトレーニングに行くとか、自分のやっていることが大好きだというのは、良いものだよ。それが、努力へのモチベーションにもなる。

 今はコメンテーターとして、サッカーを見るのが大好きなんだ。ヨーロッパのサッカーはこう、南米はまた違う、アジアは、アフリカは……と、あらゆるサッカーの基盤を学ぶのが面白い」

 そんなジーニョは最後に、今後の人生の夢や目標について語ってくれた。

「新しい友情を築いたり、新たな国を知ったり、自分自身が成長しながら、心を揺さぶられるような仕事をしたい。だから今、自分が取り組む仕事をしっかりと抱きしめて、100%身を捧げるつもりだよ。

 プライベートでは、子どもたちが正直な人間に成長するのを見たい。幸せな家庭を築くのを見たい。そして、妻とずっと一緒にいたい(笑)。同じ情熱、同じ愛情を持ってね。そういう家族との時間や、妻と日々を分かち合うことの価値を教えてくれたのは、日本なんだ。

 というのも、ブラジルと違って日本では、試合数も遠征や合宿も少なかったし、その運営もしっかりしているから、プライベートな時間を大切にしやすい。だから、結婚してまだ2年だったあの時期、多くの時間を妻と過ごし、日々の小さな喜びを共有できた。生まれて2歳までを日本で過ごした娘の子育てにも参加できた。

 妻と子どもたちが幸せであれば、それが僕にとっての、人生の達成だ。それを教えてくれた日本には、本当に感謝ばかりだよ」

(藤原清美 / Kiyomi Fujiwara)



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藤原清美

ふじわら・きよみ/2001年にリオデジャネイロへ拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特に、サッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のテレビ・執筆などで活躍している。ワールドカップ6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTubeチャンネル『Planeta Kiyomi』も運営中。

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