森保ジャパンの課題を英国人記者が指摘 「オプションになれていない」ポジションは?

森保ジャパンの課題を英国人記者が指摘【上段写真:田口有史 下段写真:Getty Images】
森保ジャパンの課題を英国人記者が指摘【上段写真:田口有史 下段写真:Getty Images】

ボランチと両サイドバックの低調、大迫&原口のW杯出場組の機能不全は解消の必要あり

 日本代表は、12日の国際親善試合パナマ戦で3-0と完勝し、森保一監督新体制で2連勝を飾った。ロシア・ワールドカップ(W杯)で16強に入った日本の海外主力組もついに招集され、2022年カタールW杯へ向かう第一歩を踏みしめた森保ジャパンの2試合目。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、W杯を6大会連続で取材した英国人記者マイケル・チャーチ氏はどのように見たのか。

 9月のコスタリカ戦(3-0)から2試合連続で先発出場した両サイドバック(SB)に加え、西野ジャパンの中核コンビの機能不全をパナマ戦の課題と厳しく評価している。

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 新潟でのパナマは、日本にとって全くと言っていいほど脅威を示すことができなかった。しかし、そんな格下と呼んでもいい相手にも、森保ジャパンには課題が散見していた。

 まずは中盤だ。最終ラインと連携し、守備では堅固なブロックを築いたが、攻撃の部分では貢献できなかった。前半の45分間で驚いたのは、意識の統一があまりに欠けていた。

 三竿健斗(鹿島アントラーズ)と青山敏弘(サンフレッチェ広島)、原口元気(ハノーファー)の連携はあまりにちくはぐで、コミュニケーションは存在しないように見えた。原口に関しては試合のほとんどで有効性に欠き、ポジショニングで大きな課題を見せていた。

 そして、大迫勇也(ブレーメン)も前線で存在感を見せることができなかった。パナマのフィジカルに優れる守備陣相手に沈黙を余儀なくされた。

 SBの室屋成(FC東京)と佐々木翔(広島)は低いポジショニングから攻撃参加を積極的に狙ったが、ファイナルサードでのクロスが残念だった。クロス精度の低さをはじめ攻撃で貢献できず、現時点ではオプションになることができていない。

 いずれにしても、次戦は南米の難敵ウルグアイと厳しい戦いを迎える。3戦目にしてようやく真価を問われることになる。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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