あえての牛歩戦術? レアルがデ・ヘア獲得に長期化戦略を取る理由

決着を8月末まで引き延ばすか

 マンチェスター・ユナイテッドGKダビド・デ・ヘアの去就問題は一向に進展を見せず、平行線をたどっている。だが、獲得を狙うレアル・マドリード側は決着を全く焦っていない。むしろ、「時間がたてばたつほどにレアルに有利な状況になっていくだろう」と、スペイン地元紙「マルカ」が報じている。
 
 すでにデ・ヘアとの個人合意には達していると伝えられながらも、移籍が決定していない。その理由は、レアル側がユナイテッドの要求する4000万ユーロ(約55億円)という移籍金を支払う意志がないことにある。“赤い悪魔”を率いるルイス・ファン・ハール監督も「デ・ヘアを簡単に手放すようなことはしない」と、今や世界最高のGKの1人となったスペイン代表の残留に力を注いでいるからだろう。
 しかし、こうしたユナイテッドの姿勢をよそに、レアルが出したオファーはボーナスを含めて最大3000万ユーロ(約41億円)というもの。ユナイテッドの要求額には到底及ばない。しかし、レアルは余裕を見せている。イケル・カシージャスが退団したGKには、すでにコスタリカ代表GKケイラー・ナバスと、下部組織出身でエスパニョールで力をつけたスペイン人GKキコ・カシージャという実力者2人の確保に成功しているからだろう。今夏を逃しても、デ・ヘアは1年後にユナイテッドとの契約満了を迎えるため、移籍金なしでの獲得が可能になる。
 焦らなくても“遅かれ早かれ、デ・ヘアはレアルの選手になるだろう”という展開が目に見えているようだ。記事では、今夏の移籍マーケット最終盤で決着を迎えるのでは、という見方もされている。
 プレミアリーグの開幕戦ではベンチ外となったデ・ヘア。ファン・ハール監督も、選手の去就問題が決着を迎えるまでは起用しないという姿勢を貫いている。このまま移籍が決まれば、ユナイテッドの選手としては、プレシーズンマッチのパリ・サンジェルマン戦が見納めとなる可能性もある。故郷マドリードか、マンチェスターか。この24歳は今季どちらでプレーすることになるのだろうか。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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