名門が陥るプレシーズンのドタバタ劇 新監督がリーグ開幕前に辞任も

選手獲得を巡って会長と監督が対立

 セリエAサンプドリアのワルテル・ゼンガ新監督がクラブに対して、元イタリア代表FWアントニオ・カッサーノを獲得した場合は辞任すると脅迫していると、地元テレビ局「スポーツ・メディアセット」が報じている。
 ジェノバの名門が新シーズンのリーグ開幕前から激震している。かつてのイタリア代表の名守護神ゼンガ氏はACミランの新監督に就任したシニシャ・ミハイロビッチ氏の後任として今季就任したばかり。だが、ある悪童の補強をめぐり、開幕前から辞任危機に直面している。
 指揮官は昨季中に経営破綻により選手への年俸支払いが滞っていたパルマとの契約を解除したカッサーノについて「私の計画に入っていない」と獲得を拒否しているが、マッシモ・フェレーロ会長は獲得に前向きなコメントを何度も残していることから、関係は悪化。現在はカッサーノ獲得時には監督を辞任すると会長に迫っているという。
 そうしたトップ同士の不協和音による影響は定かではないが、サンプドリアは30日に行われたヨーロッパリーグ予選3回戦の第1レグで、セルビアのボイボディナにホームで0-4とまさかの大敗。同じジェノバに本拠を持つジェノアの書類上の不手際によってヨーロッパの舞台に立つチャンスを得たが、あっさりと最期を迎えそうな気配だ。あまりのスコアに、フェレーロ会長が「今日のサンプは私のサンプではない。サポーター全員に謝りたい」という緊急声明を発表するほどだった。
 天才的なプレーと裏腹に、ピッチ内外で問題行動を続けてきた悪童は移籍金ゼロで獲得できるが、問題児の指導にゼンガ監督は嫌悪感を示している。これに対し、フェレーロ会長はカッサーノの指導経験がある元イタリア代表監督のチェーザレ・プランデッリ氏の招聘(しょうへい)を計画するなど、開幕前からとんでもないドタバタ劇が展開されている。

【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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