悪童バロテッリはプレシーズン最終戦もメンバー外 アピールの機会すら与えられず
母国の2クラブ行きも可能性が完全消滅
リバプール退団がうわさされる元イタリア代表FWマリオ・バロテッリにはアピールのチャンスさえ与えられないというのだろうか。英地元紙「ガーディアン」によれば、ブレンダン・ロジャーズ監督は、8月1日に行われる元日本代表FWハーフナー・マイク、MF田中亜土夢ら所属のHJKヘルシンキとのプレシーズンマッチでバロテッリ、そしてホセ・エンリケ、ファビオ・ボリーニの3選手をメンバーから外したという。この3選手は完全に構想外と見られており、東南アジア、オーストリアを回るプレシーズンツアーのメンバーにも名前が含まれていなかった。
また、2日には英3部のスウィンドン・タウンとの親善試合が組まれているものの、これは若手選手を起用する場になると見られており、主力組にとってはヘルシンキとの一戦が、実質プレシーズンの最終戦となる。ブレンダン・ロジャーズはバロテッリについて、「練習ではよくハードワークしている」と話していたものの、どうやらこの悪童に、実戦でのアピールの場は与えられないようだ。
サンプドリアやフィオレンティーナなど、セリエA復帰の可能性もにわかに伝えられたいた。しかし、フィオレンティーナ行きはサポーターの猛反発を受け、トレード要員と目されたドイツ代表FWマリオ・ゴメスのベシクタシュ移籍も正式に決定。完全に可能性はなくなった。サンプドリアのマッシモ・フェレーロ会長はバロテッリのプレーヤーとしての能力を高く評価していたが、「1000万ユーロ(約13億円)などという金額は、我々にとっては8人分だよ」と、獲得への道のりを断念するコメントをイタリアメディアに対して残した。こちらも、扉が完全に閉じられてしまった。ミラン時代の同僚GKマルコ・アメリア氏が名誉会長を務める伊3部ルーパ・カステッリ・ロマーニからのオファーがあったもののこれは本人が拒否していた。
バロテッリにわずか1年でリバプールを去る考えはないようだが、クラブにその思いは届きそうにない。インテル、マンチェスター・シティ、ミランを名門を渡り歩いたストライカーはいま、窮地に立たされている。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images