ファン・ハール監督がロメロの正GK起用を示唆

デ・ヘアにプレッシャーをかける狙いもあるか

 マンチェスター・ユナイテッドのルイス・ファン・ハール監督が、正GKのスペイン代表ダビド・デ・ヘア残留時にも、新加入のアルゼンチン代表GKセルヒオ・ロメロを今季レギュラー起用する可能性を明らかにしている。英地元紙「デイリー・メール」が「ルイス・ファン・ハールはダビド・デ・ヘアに警告。新加入のセルヒオ・ロメロが今季ナンバー1GKに任命される可能性がある」と見出しで報じている。
 大型補強を続けているユナイテッドのファン・ハール監督は、ゴールマウスの人選にもメスを入れている。昨季途中で獲得したバルセロナ監督時代の愛弟子、元スペイン代表GKビクトル・バルデスについては「哲学にそぐわない」とバッサリ切り捨て、退団の方針となっている。
 レアル・マドリードがデ・ヘアの補強に動く中、AZ監督時代の愛弟子であるロメロを獲得した指揮官はこう語ったという。
「私はセルヒオとダビドとも、もちろん話をしている。私にとって最高の選手が先発で試合に出る。だから、君たちはその座をかけて戦わなければいけない。ダビド・デ・ヘアがレアル・マドリードに移籍する危険がある中で、我々はシーズンに対する準備をしないといけない」
 オランダ人指揮官は昨季スーパーセーブの連続でMVP級の活躍を見せたデ・ヘアにポジションを確約しなかった。
「ダビドに起こるかもしれないことに即時対応しなければいけない。私にとってセルヒオは正守護神の座を満たすことができる。彼は素晴らしい選択肢だ。私は彼がチームに貢献できると願っているし、そうできると確信している」
 ファン・ハール監督はこう語った。ユナイテッドが獲得に乗り出し、デ・ヘアの交換要員として要求していたレアルのスペイン代表DFセルヒオ・ラモスについて、スペイン地元メディアは残留で基本合意に達したと報じられている。
 昨季途中から契約延長交渉に応じていないデ・ヘアは今季終了時で契約満了となる。ロメロに対する信頼を強調し、デ・ヘアに控えの可能性もチラつかせる指揮官にはマドリード移籍で年俸面などで合意に達しているという守護神を、ユナイテッドとの契約延長に導こうという狙いもあるのかもしれない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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