ACミランから1月にエンポリに放出された元Uー21イタリア代表MFリッカルド・サポナーラはセリエA4連覇中のユベントスと、ナポリが争奪戦を展開するまでに成長した。移籍金は半年足らずで3倍以上に高騰したことが分かった。 エンポリのマルチェロ・カルリ強化部長は地元ラジオ局「CRC」で語った。 「我々は、リカルドを我がクラブの基礎の1人だと見なしている。経済的な問題もないので、オファーに心を動かされる必要もない。移籍金1500万ユーロ? それでは十分ではないだろう。エンポリがもう1年、彼を残留させたいと希望していることに、誰も注目しな いことは残念だ」 サポナーラは2013年シーズンにエンポリからミランに移籍。だが、ミランでは出場機会を手にできず、今年1月に古巣へと期限付き移籍で復帰。エンポリは400万ユーロ(5億6000万円)の移籍金で完全買い取りオプションを行使していた。 そして、リーグ後半戦で才能を開花。ユベントスやナポリも獲得に乗り出すほどの存在にまで急成長を果たした。来季、ナポリの監督に就任するマウリツィオ・サーリ監督はサポナーラの実力を高く評価しているという。 エンポリのカルリ強化部長は「ナポリとはミルコ・バルディフィオリを売却時に、サポナーラについても1度話している。我々はもう一度会うことになるかもしれない」と語った。また、ユベントスの動きについては「ビア ンコネリ(ユベントスの愛称)のサポナーラに対する興味は事実だ。まだ本当の交渉は行っていない。行われるかも分からないけれどね」と言葉にしている。 一方、ミランはポルトのFWジャクソン・マルティネス、モナコのFWジョフリー・コンドグビアとクラブ間合意に達しながらも、それぞれ争奪戦の末に最後に出し抜かれてしまっている。そして、1月に放出したトップ下の才能はエンポリで開花し、イタリア代表入りの声も上がるほどになった。ミランは、エンポリがサポナーラ売却時に、移籍金の30パーセントを手にできる契約になっているが、補強に苦しむ現状では逃した魚は大きかったかもしれない。 【了】 サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images