「Jリーグでも屈指の場所」 J2水戸の新拠点「アツマーレ」で人は夢を見る

役場に来たおばあちゃんと「思わずハイタッチ」

 この練習場の移転は、クラブが抱える問題解決のために避けては通れない道だった。

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 以前は「ホーリーピッチ」という水戸市内の那珂川河川敷にある専用練習場を使用していたが、大雨などで川が増水するとたちまちグラウンドは使えなくなった。

「天候によって練習のスケジュールが左右されてしまう状況や練習場とクラブハウスが同じ場所にないといった問題があり、クラブとしても改善したいと考えていました」

 加藤さんがこう語るように、クラブとしても問題意識は次第に強まっていた。そうしたなかで、昨年新たにクラブのホームタウンに加わった城里町からぜひ七会中学校跡地を利用してほしいという提案があった。

 水戸の思いは「ホーリーホックをハブとして人が集まる場所になる」ということ。「それこそがサポートしてくれる皆さんへの恩返し」になる。愛称が示す通りの、新たな“集いの場”ができたことがポジティブな変化を及ぼしている。

「首位に立った時には事務所で仕事をしていたら役場に書類を出しに来たおばあちゃんが『首位だね。おめでとう』と声をかけてくれて、思わずハイタッチしました(笑)。こうした交流も全てが一つになっている施設だからこそですよね」

 新しい施設ができたと聞きつけ、普段は姿を見せないお年寄りや、旧・七会中学校の卒業生も練習場に足を運んでくれたという。そんなエピソードが、これからもさらに増えていくだろう。

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