「語り継がれる試合」に見た名門リバプールの美学 現代でも“面白い試合”はできる

記憶がリバプールの情熱をつないでいく

 現在のポイント差とシティの強さからいって、今季のプレミアリーグ優勝はシティで間違いないだろう。リバプール戦でも1-4から1点差まで迫り、あわや同点というシーンもあった。シーズン後半に大崩れするとは考えにくい。

 素晴らしい勝利をあげたリバプールも、もともと強豪相手には強かった。0-5だった第4節の敵地シティ戦も、前半37分にマネが退場にならなければ、けっこう分からない試合だったのだ。彼らの弱点はとりこぼしの多さである。良くも悪くも戦い方が大雑把というか、ダイナミックなので確実さに欠ける。

 とはいえ、ホームスタジアムの熱狂的な雰囲気とともに、シティを4-3で打ち破った試合は確かに後世に語り継がれるのだろう。シティの記録を止めたことではなく、その記憶がリバプールの情熱をつないでいくのだ。

【了】

西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

ゲッティイメージズ写真 photo by Getty Images

 

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