横浜FMが好調サガン鳥栖の攻撃陣を完封できた理由

ビッグセーブを生んだサポーターの声援

 しかし、豊田も黙ってはいなかった。後半終了間際まで鳴りを潜めていたが、ワンチャンスを狙っていたのだ。中沢、栗原がボールサイドに寄ったスキにファーサイドに流れると、右サイドからのクロスに飛び込んだ。完璧なタイミングでのヘディングシュートだった。豊田の頭を離れたボールは、ワンバウンドしてゴールへと迫った。
 しかし、ここでGK榎本哲也が驚異的なセービングを披露する。両手でボールを弾き出し、この試合最大のピンチを救った。決勝点を挙げたMF兵藤慎剛は、榎本のこのワンプレーを誇らしくた たえた。
「前線から見ていたら、完全にやられたと思ったんですけどね。驚くようなセーブで助けられました」
 さらに、DF栗原勇蔵もそれにこう続く。
「普段の試合は、後半にサポーターの応援席に向かって攻める。それが今日は逆だった。後半、サポーターに背を向けてプレーすることになった。だけど、それが悪くないなって。サポーターと一緒にゴールマウスを守っている感じがしてさ」
 この日は、キックオフ前に横浜FMが風上を選択。後半は普段と異なり、サポーターの声援を背に受けてプレーすることとなった。
 13529人で埋め尽くされたスタジアムは、開始から熱気を帯びていた。守護神の背中に熱を送り込んだサポーターたちの声援が、このタイムアップ寸前のビッグセ ーブを後押ししたのかもしれない。
 サポーター、そして、相手の持ち味をかき消す運動量と、両センターバックの力強さ。そのすべてがかみ合い、今季初勝利を手にした。横浜FMには、この日の勝者となるべき理由があったのだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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