ACL決勝進出の浦和、上海戦でも光った「デュエルの強さ」 データで探る快進撃の理由

シュート決定率22.4%もトップの数値

 また、中盤ではMF青木拓矢は地上戦5勝5敗、MF柏木陽介は4勝4敗とイーブンの成績だったが、MF長澤和輝が地上戦14勝10敗、空中戦1勝0敗と勝ち越した。そもそも全25回のデュエル回数はチーム内最多で、中盤でゲームを組み立てようとする上海の元ブラジル代表MFオスカルやウズベキスタン代表MFオディル・アフメドフに自由を与えないキーマンになっていたことが浮かび上がる。

 この浦和の傾向は大会全体を見ても同じであり、チーム全体でのデュエル勝率は52%と半数を超えている。

 上海戦では元ブラジル代表FWフッキに苦戦し、地上戦で5勝6敗、空中戦で0勝3敗と負け越した日本代表DF槙野智章だが、大会全体で見れば地上戦が勝率63.7%、空中戦の勝率が64.4%とチーム内では遠藤と双璧をなす。リーグ戦では失点の多さにより苦戦している浦和だが、ACLでは無失点試合が5試合を記録している。その一端に、球際の勝負に勝っている部分があると言えるだろう。

 その上で、浦和がデータ上でACL出場チーム中トップに立っているのが、ゴール数と決定率だ。準決勝まで勝ち残っている試合数からトータル28ゴールがトップなのは自然な部分もあるが、その決定率22.4%も大会で最高の数字だ。そして、そのゴールのすべてがペナルティーエリア内で生まれたというのも特徴だと言えるだろう。球際で粘り強く守り、ゴール前まで進めた攻撃を効率良くゴールにつなげていることがデータにも表れている。

 

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