“頭の切り替え”がポイント FW浅野拓磨が語る「先発出場」と「途中出場」の違い

スタメンのほうが「難しくなる」のは…

 また、浅野は対面する相手選手との駆け引きという点にも言及している。

「(スタメンなら)途中で出るよりも、相手は自分の特徴をつかみながら見てくると思う。そういう駆け引きは、途中から出るよりも難しくなる。相手が疲れている時に特長を生かすことができれば、ゴールに多く近づけるけど、最初は相手もしっかりと準備しているし、(フィジカルが)元気な状態で自分も一緒に疲れていく。だからこそ、落ち着くべきところで落ち着いて、自分の力を発揮すべき瞬間に、『ここだ』というところでスピードを出して、相手に脅威を発揮しなければいけない。(力を)抜くところは抜いて、相手に脅威を与えたい」

 浅野はワールドカップ本大会への出場を決めたアジア最終予選のオーストラリア戦で、スタメン起用に応えて先制ゴールを決めている。どちらの起用法でも結果を残しているが、よりスタメンでの結果を出すためにも、自分の特徴を発揮するタイミングと駆け引きを重要視した。

 ゴール後のパフォーマンスである“ジャガー・ポーズ”が話題になるスピードスターだが、いつまでもスーパーサブに甘んじているわけにはいかない。スタメンで、どれだけチームに貢献して流れを作り、さらにその特徴を生かしてゴールを生み出せるのか。浅野はその課題と試験になるハイチ戦で、オーストラリア戦に続く素晴らしい回答を見せつける気構えだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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