久保建英の“出番なし”は「驚きだった」 現地ベテラン記者も疑問…ベンチでは「発揮できない」

レアル・ソシエダの久保建英【写真:なかしまだいすけ/アフロ】
レアル・ソシエダの久保建英【写真:なかしまだいすけ/アフロ】

レアル・ソシエダの番記者が取材に応じた

 2026-27シーズン開幕から2か月半が経過した今も久保建英にとっての厳しい時間は続き、今回のリヨン戦で今季2度目の日本人対決は実現しなかった。

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 佐藤龍之介が所属する9月20日のラ・リーガ第7節バレンシア戦は両選手ともに出番がなかったため、10月15日のヨーロッパリーグ・リーグフェーズ第2節で、DFハーフナー・ニッキを擁するユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)と対戦した一戦が、久保にとって今季初の日本人対決となった。久保は後半23分に投入され、2季ぶりにトップ下でサプライズ起用されたが、地元紙からの評価は低く、結果も1-1の引き分けだった。

 そして11月5日、ヨーロッパリーグ・リーグフェーズ第4節リヨン(フランス)戦で今季2度目の日本人対決を迎えるはずだった。しかし、日本代表のチームメイトである中村敬斗が公式戦2試合連続でスタメン入りした一方、久保はこれまでの悪い流れが変わることなく、公式戦3試合連続のベンチスタートとなった。

 後半9分にリヨンMFコランタン・トリッソに同点弾を許したことを受け、ペッレグリーノ・マタラッツォ監督は攻撃的な選手を次々と投入したが、優先されたのはジョブ・オチエング、ルカ・スチッチ、パブロ・マリン。後半開始からずっとピッチ脇でアップしていた久保は、今季5度目の出番なしに終わり、ここまでの公式戦成績は10試合出場(先発5試合)、396分出場、1得点1アシストと、厳しい状況は続いている。

 試合後の会見で、マタラッツォ監督の采配に懐疑的な記者から久保の出番の少なさを指摘する質問が飛ぶと、「確かにタケはマラガ戦で素晴らしい試合をしたが、チームには今、好調の選手がたくさんいる。タケが並外れた才能を備えていることは皆が知っているが、レギュラーの座を確保するためには、与えられた時間を最大限に活かさなければならない。もし彼がもっと長く出場し続けたいと思うなら、そうしたチャンスをものにしなければならない」と返答した。

 さらに、久保ではなくパブロ・マリンを投入した理由を聞かれると、「ローブロックで守る際、5バックのウイングバックで機能できる選手が必要だった。それはおそらくタケにとって、最適な役割とは言えない。パブロはサイドを上下に絶え間なく動ける驚異的なスタミナを持ち、その特性が今日の試合により合っていた」と戦術的判断であったことを強調した。

取材に応じたマウリシオ・イディアケス氏【写真:高橋智行】
取材に応じたマウリシオ・イディアケス氏【写真:高橋智行】

「久保が輝きを失っているとは思っていない」

 スペインのラジオ局『カデナ・コペ』でレアル・ソシエダの番記者を30年以上務めるマウリシオ・イディアケス氏は試合後、久保の現状について分析してくれた。

「チーム内で実際に何が起こっているかは分からないが、コーチ陣は日々の取り組みを重視しており、ジョキン・アペリバイ会長の『月曜日から金曜日まで最高であれ』という有名なフレーズはその一例だ。

 しかし、久保が輝きを失っていると私は思っていない。出番はそれほど多くないが、先発したマラガ戦は素晴らしかったし、久保本人も怪我が回復したと話していたのでコンディションも良いと思う。問題は先発起用されないことだ。久保はベンチスタートだと本領発揮できない選手だと個人的には感じている。

 久保はスタメン入りすることでモチベーションを高める選手に思える。これまでを振り返ってみると、途中出場から大きなインパクトを残したことはほとんどなかったんじゃないかな。ベンチスタートだと本来の力をできないタイプの選手は間違いなく存在する。久保は先発メンバーに入ると、『調子がいい』とか、『自分は質の高い選手だ』と実感できるんだと思う。

 今日は私も多くの同僚たちも、久保が先発すると予想していた。だからスタメンに名を連ねなかったのは驚きだったし、特に先発したゴンサロ・ゲデスやアンデル・バレネチェアのパフォーマンスが良かったとは言い難いので、なおさらその考えは間違いではなかったと思っている。この現状を考えると、久保は次節ラージョ・バジェカーノ戦で間違いなく先発起用されるはずだ」

 リヨン加入後、存在感を高めている中村は、4-3-3の左ウイングでプレーした。対峙したレアル・ソシエダDFホン・アランブルの厳しいマークに遭ったことで持ち味の突破力を存分には生かせなかったが、それでも67分間の出場で精力的にクロスを上げ、味方のシュートチャンスを3度お膳立てし、自らもゴールを狙い、チームでも決定機を多く演出する選手の一人となった。

 スペイン紙『AS』は、同点弾を決めたトリッソ、右ウイングのカイル・ブダシュと共に中村をチームトップタイの2点(最高3点)と高評価したが、イディアケス記者の見解は異なっていた。

「中村についてはとても良い評判を聞いていたし、左サイドのテクニカルな選手であることは知っていたけど、今日は正直ほとんど何もやれていなかったように感じたよ。マンマークやエース殺しを得意とするアランブルに、今日はうまく抑えられていた。前半は何度かマークをうまくはずす場面もあったが、全体としてはほとんど目立つことなく、ピッチを去ったという印象だ」

 久保は11月8日にホームで行われるラ・リーガ第12節ラージョ・バジェカーノ戦を経て、今季2度目の代表ウィークを迎える。怪我のためワールドカップで出場できなかったブラジル戦に臨み、気分一新し、クラブで年内最後の戦いに向けて調子を取り戻せることを期待したい。

(高橋智行 / Tomoyuki Takahashi)



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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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