データで見る浦和“崩壊”の要因 「さいたまダービー敗戦後」に激減した数値とは

ロングパスとクロスは本数と精度も向上

 一方、大宮戦後に増加している数値が、「ロングパス数」と「クロス本数」だ。ロングパスは34.6本から38.5本に増え、成功数、成功率ともにアップ。また1試合平均のクロス本数も10.5本から13.5本と3本も増加しており、サイド攻撃の回数が増えたことによる影響か、「空中戦回数」も43.9回から48.5回へと上昇している。

 これらの数値を見る限り、中盤での支配力が低下しパス交換数が減ったなか、打開力に優れる両ウイングバックの選手を使った攻撃を展開。決してサイドアタックの精度を著しく欠いたわけではないものの、ペトロヴィッチ体制下で目指していた中盤を制圧するポゼッションスタイルには陰りが見られていたようだ。

 それと同時に、守備面でも「インターセプト数」が42.8回から38.1回、「タックル成功率」が65.9%から59.6%に減少。高い位置から圧力をかけてボールを奪い返す守備も、やや威力を失い、攻守両面で後手を踏む展開が増えていたのは間違いない。

 こうした状況を受けて、堀新監督はペトロヴィッチ流を継承し修正を施していくのか、それとも別の打開策を講じていくのか。浦和にとっての今後数試合は、クラブとしての方向性をも大きく左右することになりそうだ。

データ提供元:InStat

【了】

Evolving Data labo●文 text by Evolving Data labo

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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