英移籍の28歳日本人は「一味違った」 デビュー戦で即結果…代表OBが感嘆した「0.数秒」

今夏バーンリーに移籍した旗手怜央【写真:アフロ】
今夏バーンリーに移籍した旗手怜央【写真:アフロ】

【専門家の目|太田宏介】英2部移籍の旗手怜央がデビュー戦でアシスト

 イングランド2部(チャンピオンシップ)のバーンリーに今夏移籍したMF旗手怜央は現地時間9月5日、新天地デビュー戦となったリーグ第5節ブリストル・シティ戦でアシストを記録した。チームは1-2で逆転負けしたものの、早速残した爪痕。元日本代表OBの太田宏介氏はアシストで見せた技術力の高さを賞賛するとともに、チャンピオンシップで良さが発揮されると予想している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 デビュー戦で一発回答。後半11分、左サイドを駆け上がった味方からグラウンダーのクロスが供給されると、ペナルティーエリア内中央に走りこんだ旗手が受ける。すると、すぐさま右サイドにいたMFアーロン・ラムジーへとパスを送る。相手2人に寄せられながらも右足を振り抜き先制点を叩き込んだ。

 旗手といえば今夏、スコットランド1部セルティック退団の可能性が取りざたされていたなか、移籍期限ぎりぎりでイングランドの新天地と3年契約を締結することに成功。ただ、スコティッシュ・プレミアシップでは開幕から出番が与えられずコンディションが心配されていた。

 そんななかでも、数字を残した旗手に太田氏は「さすが」と一言。加えて、「移籍が決まった時に今回のデビュー戦の重要度は分かっていたと思います。特に、現地サポーターに自分の存在感を示さないといけませんから。そこまでに動けるコンディションを作っておかないといけないという考えがあったのは間違いなく、ゲーム中は高いインテンシティのプレーをきちんと見せられていました」と、プロフェッショナルとして用意周到な準備を踏んできたと分析する。

 もちろん、アシストにはほかの要素も詰まっていた。太田氏は次のように評する。

「右足でシュートも打てたと思いますが、少し身体を開いてインサイドでラムジーにパスしました。イングランドのピッチは水がよく撒かれて土が柔らかいと聞くので、普通だったら右足アウトサイドで出すと思います。左足で踏ん張りつつ右足のインサイド……股関節周りの可動域がかなり広いのだろうなと感じました。身体の使い方が上手かったですね。

 パスを出す直前も必見で、レイコンマ数秒、溜めの時間も作っています。これで結局、2人くらい自分に引き付けました。旗手怜央ってやっぱり時間・空間の使い方が上手い」

 そんな旗手のテクニックやサッカーIQの高さが、新天地のイングランドでは生かされると太田氏は予想する。

「チャンピオンシップには屈強なディフェンダーが多いなか、旗手には運動能力だけでなくゴール前でのアイデアや工夫があり、これはバーンリーのほかの選手と一味違った特徴です。ボールに触ってない場面でも、相手を引き連れたり駆け引きをしたりして、ゴールを生むためのサポートもできる。個性が発揮されるいいリーグに行ったなと思いました」

 バーンリーは5試合を終え、2分3敗で単独最下位と苦しい状況にいる。旗手が攻守に躍動し、チームを浮上させることができるだろうか。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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