兄がブンデス移籍「いい刺激に」 暗黒期を知る20歳…観客2万人「当たり前じゃない」

東京Vの山本丈偉「J1に居続けないと、やっぱり応援してくれる人は少なくなる」
東京ヴェルディは8月29日、J1リーグ第4節で鹿島アントラーズと対戦し、0-2で敗れた。前半終了間際にはMF森田晃樹が途中交代となるアクシデントに見舞われ、20歳のMF山本丈偉が緊急出場。しかし、直後に失点を喫するなど悔しい結果に終わり、「やっぱり足りないところもいっぱい見つかった」と語った。
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「きょうは早めに自分のチャンスが来ると思っていたので、試合が始まったときから準備はしましたし、いつ出てもいいような準備はできていました。入りのところは自分の身体的には問題なかったですけど、自分が入ったときにすぐ失点してしまったので、結果としては納得いくものではなかったと思います」
このように試合を振り返った山本。2024年1月にトップチーム昇格を勝ち取ると、前節のファジアーノ岡山戦に先発出場してJ1デビューしたばかりだったが、この試合でも早々に出番がやってきた。後半41分、森田が立ち上がれずに担架で運び出されると、細かい指示もないまま「やってこい」と送り出された。
意識したのは、自身の持ち味を出すこと。キャプテンマークを巻いたDF林尚輝からは、「積極的にやってくれ」「晃樹の代役とか考えなくていいから、自分の良さを出してくれ」とアドバイスをもらったという。しかし、直後の前半42分に先制を許すと、後半5分に追加点。悔しさの残る一戦となってしまった。
「やっぱり強度のところは感じたことのない、クオリティのところもそうですけど、すべてにおいてトップレベルのチームだなと感じました。でもそのなかでもやっぱり足りないところもいっぱい見つかったので、そこは次の連戦も始まるので、すぐに修正して整理して、次に臨んでいきたいなとは思いました」
自陣ゴール近くでボールをロストし、ピンチを招いてしまったシーンについては「判断ミスです」ときっぱり。「焦りはなかったです。落ち着いて心は冷静にプレーしようと思っていて、常に普段から冷静にプレーしようと心がけてはいます」。それでも守備に追われる時間が長くなり、持ち味を出せなかった。
ホームの味の素スタジアムで、初のJ1公式戦となった山本。雨天ながらも入場者数2万1966人を記録したスタンドを見つめ、「ホームはサポーターからの力をもらえますし、アウェーにないものはありますけど。やっぱりそのサポーターたちに結果、勝利を届けたかったという思いは強いですね」と唇を噛んだ。
小学3年生からアカデミーで育った山本は、ヴェルディがJ2で低迷していた頃からゴール裏で応援してきた。だからこそ、今の状況を「当たり前のことではないと思います」と言い、「これがJ1にいる意味というか、J1に居続けないと、やっぱり応援してくれる人は少なくなると思います」と危機感を口にする。
そしてもう一つ、発奮材料となる出来事もあった。5月に実兄のMF山本理仁が、ドイツ1部ブンデスリーガのフライブルクに完全移籍。「理仁の影響はやっぱりありますし、少し年も離れていますけど、小さい頃から追いかけてやってきた。追い抜いていきたい存在ですし、いい刺激になっています」と明かす。
頻繁に連絡を取るというわけではないが、「日本に帰ってきたときはご飯に行ったり。理仁もヴェルディが好きでよく来るので、そこで会ったりボールを蹴ったりはしていました」。そんな兄のヴェルディ愛も受け取り、魂を込めてプレーする山本。クラブを愛する20歳が、危機的状況の救世主になるだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)




















