元代表の安心感「家に帰ってお母さんがいるくらい」 18歳逸材がJデビュー…陰で支えたベテランの存在

神戸FW川端彪英がJリーグデビュー
ヴィッセル神戸は8月29日、J1リーグ第4節でセレッソ大阪と対戦し、1-0で勝利を収めた。この試合でJ1デビューを飾った神戸U-18所属のFW川端彪英は、与えられたチャンスをものにしようとしていた。
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怪我人が相次ぐチームの緊急事態を、自らの千載一遇のチャンスへと変えた。神戸はMF扇原貴宏やFW佐々木大樹が百年構想リーグで負傷し離脱中のなか、前節22日の横浜F・マリノス戦、26日の天皇杯ヴェロスクロノス都農戦に続き、FW大迫勇也とFW武藤嘉紀もメンバーを外れた。
そして、この試合では中京大学在学中で、29-30シーズンより内定している20歳のMF岩本悠庵が初めてスタメン起用され、18歳の川端はベンチ入りとなった。そして劣勢の前半を0-0で折り返した神戸は、後半頭から川端を投入。天皇杯でのプロデビューから3日後、Jリーグデビューも飾った。
「出る前や試合前に、先輩たちから『ミスを気にせずやれ』と言われていたので、限られた時間で自分自身の良さを出していかなあかんと思っていたんで、気楽にやらせてもらいました」と振り返るように、18歳の若武者は22767人の観衆が詰めかけたホームスタジアムの雰囲気に呑まれることなく、出場直後から持ち前の推進力と鋭い仕掛けで攻撃に大きな変化を生み出した。
「2万人とか初めてでしたけどプレー中とかはあんまり気にせず、まずは自分がここでいかに結果残せるかと思ってやっているんで、そこまで意識はしてなかったです」と、大観衆の中でのリーグデビューも平常心でプレーできたと明かした。
そして、試合後の会見で神戸のミヒャエル・スキッベ監督も「攻撃のアクセントになった」と評価したように、ボールを持てば常に前を向き、貪欲にゴールへ向かう姿勢を披露。自身も「前を向いたときの推進力は自分の武器。それを出せないとここでプレーする意味がないと思うので、もっと貪欲にゴールを狙うようなプレーをやっていきたい」と強い覚悟を口にする。
キレのあるドリブルなど堂々たるプレーを見せた18歳だが、その背景には百戦錬磨のベテランDF酒井高徳の存在があった。守備面での課題を問われると、「全然ダメですね」と反省。「上下の動きや経験のところでは高くん(酒井高徳)がカバーしてくれている部分もあるので。試合中でも教えてくれたりするので、それをいかに学んで、行動できるかだと思います」と、ポジショニングやプレスの角度など、試合中もプレーが切れるたびに酒井から具体的なアドバイスが飛んでいたという。
「高くんが後ろにいてくれるので、本当に自由にやらせてもらっています。どれくらいの安心感かって言ったら…『家に帰ってお母さんがいるくらいの安心感』ですね(笑)。それくらいの安心感があります。守備の出方や中を閉める動きなど、当たり前のことを言語化して教えてくれるのでめちゃくちゃ勉強になりますし、助かっています」と記者を笑わせるユーモアを交えながら、酒井の存在の大きさを語った。
神戸U-18では10番を背負い、高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2026 WESTでは現在10得点を上げて、得点ランクでトップを独走している。U-18、そして先週開幕したU-21リーグでもスタメン出場し、今週はトップで天皇杯とリーグ戦出場と、多忙な日々を送っている。
「トップ(出場)が最優先」としつつも、「カテゴリーが下がったとしても、そこで結果を残したらまたトップのチャンスがあると思うので。そういうところで気持ち一つ一つ落とさずにプレーしていきたいです」と、どのカテゴリーでも揺るぎない結果を追い求めている。
試合後には家族からの連絡があったといい、「『お疲れ様』ってきてましたお母さんから。お父さんからは『冷静にできていた部分もあるけど、もうちょい冷静になれよ最初の入りは』って言われましたね」と笑顔で明かした。
チームの危機に現れた18歳の新星。強烈な武器と素直な吸収力を兼ね備えた若きアタッカーが、神戸の新たな原動力となろうとしている。
(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)




















