“七転び八起き”の7年間「あっという間」 繰り返した負傷と復帰…「一瞬で現役終わるんだろうな」

FC東京のバングーナガンデ佳史扶が約1年ぶりに先発復帰を果たした
FC東京は8月21日、J1リーグ第3節でジェフユナイテッド千葉とMUFGスタジアム(国立競技場)で対戦する。前節のヴィッセル神戸戦にスタメン出場したDFバングーナガンデ佳史扶が、ここまで歩んできた7年間について話した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真)
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15日のアウェー神戸戦でリーグ戦において約1年ぶり(25年8月/名古屋グランパス戦以来)の先発出場を飾った。左サイドで対峙したのは、かつて日本代表で活躍をしたDF酒井高徳とFW武藤嘉紀。佳史扶にとって、復活を示すのに絶好のシチュエーションになった。
「僕自身、レベルの高い相手になるほど燃えるので。神戸戦までの1週間は本当に、高徳さんと武藤さんと対峙するのを意識しながら練習していて、すごく楽しみだった。実際に対峙しても、2人だけではなくて、全体的にレベルが高いチームで、すごくやっていて楽しかったです」
充実感を得ながら、後半18分でピッチを退いた佳史扶だが、2-2のドロー決着に終わり今季初勝利はお預けになった。試合内容では東京が優勢の時間が長く、佳史扶自身も左サイドの攻撃で存在感を示していただけに、「本当に勝てた試合だった」と唇を噛む。
「勝ち点2を失った、という気持ちの方が強いので、悔しい気持ちはあるんですけど。でも1番は怪我せずにちゃんと終われたっていうのが自分の中ではすごい大きな一歩。たくさん課題はあるんですけど、これから90分できるコンディションに持っていかないといけない。まず先発に戻ってこられたのが自分の中で大きな一歩になった」
結果は伴わずとも、大きな一歩を踏み出した。パリ五輪を目前にした2024年6月のアメリカ遠征で負傷してから、復帰と離脱を何度も繰り返し、最長で383日間もピッチから遠ざかった。“七転び八起き”を体現するかのように、何度も立ち上がり、神戸戦で先発復帰にこぎつけた。
「本当にここ1年は復帰して怪我してっていうのを繰り返してしまってはいたんですけど、自分の中では試行錯誤の毎日でした。蹴る時の力の入れ方だったり、走り方だったり…。本当に一日も自分の中で無駄にしなかった。また怪我してしまったり、失敗というかミスはあったんですけど。自分のなかで積み上がってるものを感じられてきたので、それが今こういうふうにピッチで出せてるのかなっていうのはあります」
怪我を繰り返す度に、自分の身体を見つめ直し、アップデートを重ねてきた。「今ようやくそのサイクルから脱しつつある」と現在のコンディションは良好。「過去の経験」をこの先に待つ「いい経験」に変換していく。
「自分自身も今までの復帰してからの過程のなかで、今が1番いいフィーリングがあるので、そこはすごい前向きにできてますし。やっぱり復帰したてで、行き切っちゃってバチンときちゃったっていう経験も何回か経験して、脳の認識と身体の動かし方もコントロールできるようになってきたので。今は怖さはほぼゼロでやれています」
そして、2019年にトップチームデビューを果たしてから7年の月日が経った。「気づいたらこんなに経っていたんだな」。負傷で離脱した期間、若手の台頭、選手の入れ替わり。「色々伝えたりしていかなきゃいけない立場」と24歳になった自分の立場も考えながら、チームの目標である「リーグ優勝」のために力を尽くす。
「今のチームを見てみると本当に自分が中堅ぐらいの年齢なので。そういうところでは、色々伝えたりしていかなきゃいけない立場でもありますよね。プレーでも見せていかなきゃいけないし、責任がより増してる立場だなっていうのは感じます」
周囲からの見られ方や、年齢的な立ち位置に変化を感じる一方で、佳史扶にとって変わらないこともあるという。
「今でも緊張はします(笑)。試合前の緊張感とかは変わらないんですけど、色々な怪我とかを経験して、自分の身体についてだったり。そういうところに関してはすごいわかってきたのかなと思います。本当にこの7年があっという間すぎて、一瞬で現役終わるんだろうなみたいなのは今感じるんで。一日一日を無駄にできないなと思うし、必死にやらなきゃなっていうのはすごい感じます」
苦しみながらも前に進み続けてきた7年間。何度も壁を乗り越えてきた青赤の6番が、復活を期すシーズンをスタートさせた。
(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)





















