昇格争いの行方は?「注視すべき」 開幕2戦で“明暗”…連勝クラブに問われる「本物の強さ」

藤枝、横浜FC、大宮、湘南が好発進したJ2
2026-27シーズンのJ2は開幕から2節を消化した。全38試合のうち、まだわずか2試合。ここで優勝争いや昇格争いの行方を見定めるのは、もちろん時期尚早だ。
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ただ、長いリーグ戦を考えれば、スタートを良い形で切ることが確かなアドバンテージになるのも事実だ。特に今季は新体制、新戦力を抱えるクラブも多いだけに、結果を残しながらチームを作っていけるかどうかは重要になる。
その意味で、開幕2連勝を飾った藤枝MYFC、横浜FC、RB大宮アルディージャ、湘南ベルマーレの4チームは注目に値する。同じ勝ち点6でも、それぞれの立ち位置や勝ち方には違いがあり、そこから今季の可能性も見えてくる。
中でも鮮烈なスタートを切ったのが藤枝だ。
開幕戦では百年構想リーグを制したベガルタ仙台を2-0で撃破。続くいわきFC戦も3-1で勝利し、2試合5得点1失点という数字を残した。
もともと攻撃的なスタイルを持つチームだが、今季序盤に目を引くのは、その積極性をしっかりと勝ち点3につなげていることだ。仙台を無失点に封じ、いわき戦では一度追いつかれながら、そこから再び突き放した。単純な勢いだけではなく、試合の中で勝負を決め切る力も見せている。
もちろん、この2試合だけで一気に昇格候補へ格上げするのは早い。それでも、戦前の予想以上のスタートを切ったチームとして、藤枝は間違いなく今後も注視すべき存在だろう。
そして、藤枝とは違った意味で予想以上のスタートを切ったのが横浜FCだ。
選手層を考えれば、もともとJ1昇格候補の一角に挙げられるチームだ。ただ、須藤大輔監督がチームを率いた百年構想リーグでは、新たなスタイルを構築していく過程で苦労する姿も見られた。それだけに、本番のリーグ戦へ入ってすぐに結果を残していることには大きな意味がある。
開幕のテゲバジャーロ宮崎戦を1-0で勝ち切ると、第2節はMUFGスタジアムでジュビロ磐田との国立決戦を3-1で勝利。2点目はボックス外で得たはずのFKがPKになるというミスジャッジに助けられた側面はあるにしても、相手の隙を鋭く突いた3点目は見事だ。そんな中で、守備の要である岩武克弥が2枚目のイエローで退場する不測の事態が起きたが、10人で粘り強く戦い抜いた。
開幕2試合で勝ち点6を積み上げた横浜FC。特に印象的なのは、内容面で試合を圧倒しなくても結果を手にしていることだ。もちろん須藤監督が掲げる攻撃的なスタイルはあるが、理想に溺れないしたたかさもある。百年構想リーグで試行錯誤していた須藤体制が、公式戦に入って「勝ち切る力」を示している。
戦前から昇格候補ではあった。それでも、百年構想リーグでの苦戦を考えれば、この2連勝は予想以上に順調なスタートと言っていいだろう。
前評判に違わぬ強さを結果に結びつけているのが大宮だ。
第2節のFC今治戦では3-2で勝利。こうした接戦をものにできることは、長いシーズンを戦ううえで大きい。38試合すべてを内容で圧倒できるチームなど存在しない。互角の展開や苦しい時間帯を耐え、最後に勝ち点3を手元へ残せるか。その積み重ねが最終順位を左右する。
もともとの戦力を考えても昇格争いの中心に入ってくる可能性は高く、開幕2連勝はその前評判を裏付けるものになった。
湘南も異なる形で強さを示している。
開幕の大分トリニータ戦、第2節のモンテディオ山形戦をともに1-0で制し、2試合連続のクリーンシート。山形戦の決勝点はオフサイドだったのではないかという見方もあるが、それを差し引いても180分間無失点という事実は評価すべきだろう。
攻撃が噛み合わない試合でも失点せず、1点を勝ち点3へ変える。シーズン序盤からこうした勝負強さを発揮できているのは、J1昇格を目指すうえで大きな武器になる。
一方、序盤から苦しんでいる昇格候補もいる。
百年構想リーグを制した仙台は藤枝との開幕戦を0-2で落とし、第2節も大分と0-0。2試合を終えて勝ち点1にとどまり、まだ得点がない。
チームの土台や戦力を考えれば、2試合だけで評価を大きく下げる必要はない。ただ、百年構想リーグ王者として相手から研究される立場になった中で、どう攻撃の変化を作り、ゴールをこじ開けるか。序盤から一つのテーマを突きつけられた格好だ。
そして、大型補強で大きな期待を集めていた磐田も、ホーム開幕のブラウブリッツ秋田戦を1-1で終え、第2節は横浜FCに1-3。1分け1敗と勝利がない。
横浜FC戦では後半に圧力を高めて相手を押し込んだ一方、前半は慎重な入りになり、秋葉忠宏監督が掲げる「超攻撃的、超アグレッシブ」という本来の姿を十分に表現できなかった。追い込まれてから発揮したエネルギーを、なぜキックオフから出せなかったのか。新鋭の川合徳孟や経験豊富な乾貴士など、違いを作れるタレントは揃っているだけに、個々の能力をチーム全体の攻撃力へ転換する作業が急がれる。
開幕2節を終えただけで、シーズンの成否を判断することはできない。
藤枝の勢いがどこまで続くのか。百年構想リーグで苦労した横浜FCが、このまま完成度を高めていくのか。大宮が前評判通り昇格争いをリードするのか。そして湘南が無失点をベースとした勝負強さを継続できるのか。
一方で仙台や磐田のような実力派には、早くも修正力が問われている。
たった2試合。しかし、2連勝した4チームと勝ち点1の仙台、磐田にはすでに5ポイントの差がついた。もちろん、現時点ではいくらでも取り返せる数字だ。それでも、シーズン終盤になって振り返った時、序盤に積み上げた勝ち点が大きな意味を持っていたということは十分にあり得る。
好スタートを切ったチームがその勢いを「本物の強さ」に変えていくのか。それとも、出遅れた昇格候補が早々に修正し、追いついてくるのか。第3節以降の戦いにも注目だ。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。























