佐野海舟、92億円ステップアップ移籍に暗雲 交渉進展なしで残留も…指揮官「今もここにいる」

マインツの日本代表MF佐野海舟【写真:菅原敬太】
マインツの日本代表MF佐野海舟【写真:菅原敬太】

独紙「財政上の理由から佐野を売らなければならない状況にはない」

 ドイツ1部ブンデスリーガのマインツに所属する日本代表MF佐野海舟について、ドイツ誌「キッカー」では「まさかの残留?」として、移籍交渉が具体化していない状況を報じた。

 佐野はマインツでリーグ屈指のプレーを見せた昨季を終え、北中米ワールドカップ(W杯)では日本代表の一員として活躍。決勝トーナメント1回戦のブラジル代表戦では、中盤でのパスカットからの力強いミドルシュートを放ち先制点もマークした。センセーショナルな活躍もあり、今夏の移籍市場ではステップアップ移籍が濃厚とみられていた。

 一方、現状については「8月中旬を迎えても具体的な移籍交渉は行われていないようだ。マインツの首脳陣は長らく、そうした交渉が始まることを当然のように想定していた。ところが現在は、2028年まで契約を残す絶対的な中心選手をチームに残せるのではないかという期待が高まっている」とされている。

 そのうえで、マインツの財政状況と佐野の移籍の関連について「佐野を売却する場合、5000万ユーロ(約92億3000万円)前後というクラブ史上最高額の収入を想定している。それが実現すれば歴史的な取引となり、長期的な発展に向けた新たな可能性が開ける。一方、マインツはここ数年にわたって安定した経済成長を続けており、財政上の理由から佐野を売らなければならない状況にはない。残留させられることも、次の成長段階になる」として、残留と高額移籍のどちらになってもクラブにはメリットがあると分析した。

 佐野自身は、現地時間8月16日に行われたマインツの公式シーズン開幕イベントで、サポーターから残留について尋ねられると「分かりません。でも、プレーしているときは、ここでとても幸せです」と応じていたという。

 マインツのスポーツディレクター、ニコ・ブンゲルト氏は佐野を「世界クラスの選手」と称賛しているとして、「われわれには、とても良いチームがそろっています。そして、この状態が今後数週間も続くと楽観的に考えています。もちろん、まだ何かが起きる可能性はあります」と話し、ウルス・フィッシャー監督も佐野を戦力として計算しているか問われると「当然だ。私がそれ以外のことを言ったことがあっただろうか。彼は今もここにいる。それ以外のことは考えていない」と応じたという。

 マインツは現地時間8月29日のパーダーホルン戦でシーズンを開幕する。それまでの約10日間で佐野を取り巻く状況が変わるのか、それともマインツの一員として開幕を迎えるのか、今後の展開が注目される。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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