親日家の現役スカウト部長が語る「香川、飛躍のカギ」 お手本はオランダ代表10番

オランダ代表MFのような役割が求められる

「香川のプレーを見ることができなかったことは残念でした。最初に香川がドルトムントでブレークした時には二列目。日本でいうところのシャドーストライカーのポジションでした。セカンドストライカーです。昨シーズン、ドルトムントでは、このポジションが100%存在したとは言えない状況でした。一方、ボス監督は昨シーズンまで率いていたアヤックスで4-3-3を基本システムにしていました。香川は中盤の左でレギュラーを狙うことになりそうです」

 ボス監督が採用する4-3-3システムでは、最終ラインの前にアンカーを配置し、2人の攻撃的MFが並ぶ形が基本となる。トーマス・トゥヘル前政権下で香川はインサイドハーフの新境地を開いたが、今季も同様の役割になるのではないかと分析している。

 そして、香川には参考にすべき選手がいるという。今季アヤックスから2700万ユーロ(約35億円)の移籍金でエバートンに移籍したオランダ代表MFデイヴィ・クラーセンだ。

「香川は昨年のアヤックスにおけるクラーセンのような役割を求められるかもしれません。クラーセンは3人の中盤の一角としてプレーしていました。攻守に機動性が高く、昨シーズンの香川よりも低い位置からスタートします。守備的な仕事も多くこなすうえ、敵陣最後の25メートルに関しては相当高いクオリティーを示します

 彼は自分のサイドにボールが入った時、完璧なタイミングで前線に顔を出します。そして、クロスが来る時には中央にシフトし、その瞬間にそこにいるタイプです。つまり、決定機には常に顔を出せる嗅覚を持っています。深い位置から上がってくるので、マークが難しく、誰もカバーできない。こうしたプレーが香川にも求められるかもしれません」

 

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