森保Jは「頂点に立つベースができている」 世界一を知る元指揮官が感じた「重要なピース」

JFAの佐々木則夫女子ナショナルチームダイレクター【写真:砂坂美紀】
JFAの佐々木則夫女子ナショナルチームダイレクター【写真:砂坂美紀】

15年前の「世界一」のチームで感じていた“強み”

 日本サッカー協会(JFA)の佐々木則夫女子ナショナルチームダイレクター(ND)が6月23日に都内で取材に応じた。日本女子代表(なでしこジャパン)の取り組みや世界一の景色を知る元指揮官として、現在開催中のFIFA北中米ワールドカップ(W杯)を戦う森保ジャパンについて語った。

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 25日(日本時間26日)にグループステージ第3戦のスウェーデン戦を控える森保ジャパン。勝利か引き分けで2位以内での決勝トーナメント進出が決まる大一番だ。

 2011年の女子W杯ドイツ大会でなでしこジャパンを世界一に導き、指揮官として頂点の景色を知る佐々木NDの目に、現在激闘を繰り広げている森保ジャパンはどのように映っているのだろうか。

 短期決戦となるW杯において、ピッチ上の戦術と同じくらい重要になるのがチーム内のコミュニケーションだ。今回の森保ジャパンでは、選手主導で「選手間ミーティング」を行い、チームの意思統一を図る動きが見られている。なでしこジャパンのW杯優勝時にも、同様の選手間ミーティングが行われていただけに、佐々木NDは「こうした選手たちのアクションこそが、大会を勝ち上がるための重要なピースになる」と見ている。

 W杯を勝ち抜くうえで、重要なのは試合だけではない。

「準備している段階も、やはりその大会の一部なんですよね。大会のドラマがもうスタートしているんです」

 負傷などの不測の事態があっても、選手同士が話し合い、準備を進めるプロセスそのものがチームのドラマを生み出すという。代わりに出場した選手が奮起し、チーム全体が一体感を持って乗り込んでいく。そうしたピッチ外からの“うねり”が、勝ち上がるチームには不可欠なのだ。

 今大会の森保ジャパンは、開幕前から主力クラスに怪我人が続出し、大会に入ってからも久保建英が負傷するなどのアクシデントに見舞われている。しかし、佐々木NDが森保ジャパン最大の強みとして唸ったのが、そうした穴を感じさせない「選手層の厚さ」だ。

「誰が怪我しても、準備をしている選手たちがしっかり結果を出すという層の厚さがあるのだなと。だからこそ、内部からも『優勝』という声が出るのかなと感じます」

 外部から見れば“怪我人が出て大変だ”と映る状況でも、チーム内部に“誰が出てもやれる”という自信が充満している。佐々木NDは、なでしこジャパンが優勝した際もサブメンバーの活躍が不可欠だったと振り返り、現在の森保ジャパンも「総力戦で頂点に立つためのベースができている」と高く評価した。

「森保監督が…」選手の言葉に表れる最高のチーム状態と“空気感”

 さらに、世界一を知る元指揮官は「大会期間中の空気感」の重要性を指摘する。第1戦、第2戦と良い形で試合を進めることで、チーム内に「もしかして、この大会を通して上手くなっているんじゃないか?」というポジティブな自信が生まれるという。

「波に乗ったら、その空気感を崩さずにいくことが大事。決勝トーナメントは一発勝負ですから、乗ってきているチームは接戦になっても勝つんです」

 森保ジャパンの現在の良好な空気感は、選手たちの発言にも如実に表れていると佐々木NDは分析する。

「選手たちのコメントに『森保監督が…』と、すごく良いコメントが出ますよね。これがすごく良い感じで来ている証拠なんだろうなと思います」

 監督と選手が深い信頼関係で結ばれ、分厚い選手層がチーム内競争とカバーリングを生み、選手自身が主体性を持って大会のドラマを紡いでいく。世界の頂点を知る元指揮官の目には、「優勝するチームのサイクル」が映っているようだ。

(砂坂美紀 / Miki Sunasaka)



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