長友佑都が確信していた“勝利” 鬼門の前に授けた助言…ロッカーで感じた「緊張感と雰囲気」

チームを鼓舞した長友佑都【写真:徳原隆元】
チームを鼓舞した長友佑都【写真:徳原隆元】

長友が進言した選手ミーティングが勝利の鍵

 森保一監督率いる日本代表は6月20日(日本時間21日)、メキシコ・モンテレイのエスタディオン・モンテレイで行われたFIFA北中米ワールドカップ(W杯)グループステージF組の第2節でチュニジア代表と戦い、4-0で快勝した。過去1勝しかなかった“魔の2戦目”で、DF長友佑都を中心にチームの意識を統一。選手ミーティングを働きかけ、ロッカールームで声を張り上げた。5大会連続出場の鉄人39歳が影の立役者としてもたらした1勝だった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 90分戦い続けた。ベンチ入りした24人、帯同している吉田麻也と南野拓実、メンバー外となった久保建英や町野修斗も一丸となった。先制したのは前半4分。MF鎌田大地のゴールで狼煙を上げた。同31分にはFW上田綺世が追加点。後半になっても勢いは止まらず、2点を追加して、アジア勢初のW杯4得点で大勝した。

 ベンチを温めた長友は途中交代で初出場するDF鈴木淳之介の背中を叩き、ピッチ脇から声を出し続けた。

「今回のチームも強いチームだと思ってましたけど、なかなかW杯というのはね、難しいんで。こんなに大差で勝てるとは正直思っていなかったですけど。日本が力があるという証拠。本当に優勝を目指しているので。心の底からそれを目指している。そのまま行きますよ」

 2戦目は鬼門だった。過去7大会で1勝3分3敗。長友自身も、これまで出てきた4大会で1度も勝利したことはなかった。4年前のカタールW杯ではコスタリカに0-1で敗戦。だからこそ、第1戦のオランダ戦が終わったあと、主将のDF板倉滉に助言した。

「選手ミーティングをやった方がいい」

 オフ明けとなった17日、ベースキャンプ地のナッシュビルで練習前に開かれた異例のミーティング。長友が話したのはブラジルW杯の後悔、ベンチを含めて一体となること、そして吉田と南野のロッカールームでの振る舞い……。スパイク磨きやユニフォームの片付けを率先して行っている2人の姿などを熱弁した。

「ただただ自分が思うことを喋らせてもらったという形なんですけどね。自分も少しは大人になったのかな、と。今まではもうね、やっぱり自分のことを考えるので精一杯でしたけど、それがいろんなチームの隅々まで俯瞰して見られるようになったというのは、4大会も含めていろんな経験をさせてもらった。その経験が生きているなというのを感じます」

 気持ちを切らさなかった。この日のロッカールームには声が響き続けた。「泥臭く戦うぞ!」「球際いこう!」。先制点が入ったあと、MF堂安律は1人センターサークルに戻った。一瞬の隙も与えない。勝負の神は細部に宿る。長友のレガシーはしっかりと受け継がれた。

  長友は勝利を確信していたという。「いや、もうあの、試合前からはすごい緊張感と雰囲気で入ってたんですよね。集中して、準備してきたこと、泥臭く戦うこと、球際を戦うこと、そこの自分たちの生命線だけは、ブラさずにやっていこうってロッカールームでみんな声出していたんで。その雰囲気を見て、サッカーは勿論どうなるか結果は分かんないけど、可能性高く結果を得られるな、勝利を得られるなっていうのは僕自身はロッカールームで感じていました」。

 2年半前のアジアカップ、ベスト8で敗退したチームはボロボロだった。立て直そうと必死にもがいていた。2024年3月、長友が招集された。活気づけるためではない、選手兼コーチでもない。伝え続けたのは「自分たちは強い」ということ。そして「W杯で優勝する」という信念。積み上げた自信を大舞台で発揮した。

 自身は5大会目。2試合、出番はないが「自分が出た時のイメージはしておきます」。まだ道半ば。次なるステージへ。長友とともに上っていく。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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