移籍直後に靭帯損傷「かなりキツい」 メンタル危機も…救われた理由「偉大な先輩方を」

群馬の中島大嘉「しょうもない2、3か月の怪我でくよくよしててもしゃあない」
ザスパ群馬のFW中島大嘉が、最高の形で百年構想リーグを締めくくった。J2・J3 EAST-Aでは18試合に出場し、左膝の大怪我からの復活を印象づける7ゴール。さらには、ファン投票で選出されたオールスターではJ2・J3 EAST-Aの優勝に貢献。「怪我なく終えられたというのが一番デカい収穫」と総括した。
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「いやあ、楽しかったですね。久々にこんなに人がいたので。J3とかJ2はあまり人が入らないので。久々にこの人数の前に立ったなと、気持ちよかったですね。これはあれですよね、主な経歴に書いていいですよね? Jリーグオールスターサッカー優勝って、書いていいですよね? ついに来た。初タイトル」
ファンを惹きつけてやまない唯一無二のキャラクターは健在だ。カップ戦の決勝後に匹敵するような盛大なセレモニーも経験し、「あんな何か、うぇーいとかあるんやって。何もないと思っていたので、思いのほかちゃんと優勝したという感じですね」。普段はライバルの選手たちとともにトロフィーを掲げた。
J1 EASTとの準決勝では、同点の終了間際のヘディングを、GK谷晃生に止められた。ヒーローにはなり損ねたが、「まず、怪我なく終えられたというのが一番デカい収穫」。その後のPK戦は1人目で決め、「その前に決められていたら勝てたんですけど。まあ、楽しかったなという感じですかね」と振り返った。
そのPK戦では特大のブーイングを浴びたが、決めた後には耳に手を当てて煽り返した。「いやあ、気持ちよかったですね。噛み締めていました」。真ん中に蹴ろうとしていたというが、直前に「野生の勘で」右に変更。「あのスピードで蹴ったら、たぶん止められないので。余裕でしたね」と舞台裏を明かした。
大会のために奇抜な髪色に染めたが、目立つという部分ではMF田中パウロ淳一(栃木シティ)に完敗。「いやちょっと、多すぎるって人数。200人くらいいたでしょ? 陰キャ出たっすね、俺の。パウロさんエグすぎて。それですね敗因は。今回は圧倒的敗北」。ベガルタ仙台組の雰囲気にも気圧されたという。
そんな中島だが、百年構想リーグでは18試合に出場して7ゴール。自己最多の数字に加え、EAST-A得点王のFW山田寛人(湘南ベルマーレ)まであと1点だった。「7点しか取れていないので、渋いっすね」と話すが、手応えもあった。
「2桁乗せたかったですけど、90分あたり0.62ゴールなので悪くはないかなというのはある。2桁に乗せられたシーズンだった。ただ、数字で生きていくポジションなので、最低限7点取れたのはよかったかなと。ただもっと取れたし、数字以外のところでも、もっと貢献度を上げられたかなという課題もあった」
昨年6月に北海道コンサドーレ札幌から群馬へ期限付き移籍したが、直後の7月に左膝の内側側副靱帯を損傷。「確かに去年の半年間はかなりキツい。サッカーできひんというキツさを人生で初めて味わった」という一方、「気付けることもたくさんあったので、必要な半年だった」と切り換えることに成功した。
「今まで怪我したことがなかったので、今後もっと歳をとって、ステップアップしたところで怪我していた場合、精神的にも対処できなかったんじゃないかなと思うので。先に潰しておくべき経験を潰せたというのは、すごいポジティブなことなのかなと思うので、ラストチャンスで怪我させてくれたっていう」
これまでのキャリアでメンタル面での課題もあった中島だったが、「あの怪我がラストチャンス。このタイミングを逃したらもうチャンスないなというところで怪我できたので。ありがたいっす。よかったです、まじ怪我できて」と成長を示した。そして、そのような心境に至ることができたのには理由がある。
「深井一希さんを見ていたので、ずっと札幌で。こんなしょうもない2、3か月の怪我でくよくよしててもしゃあないかと最終的に思えた。一希さんのおかげで。それはデカいっすね。連絡もくれたし、色んな人が。高嶺朋樹さんとかも、すぐ連絡くれたり。そういう偉大な先輩方を見てきたので、対処できました」
まだ多少の違和感やフラッシュバックするときもあると言うが、「そんなのピッチに立っている以上、言い訳なので関係ないっすね」。スプリントの最高速度も、これまでの35.8キロから36.2キロに更新。「まだまだいけるって感触もあるし、フィジカル的にもどんどん成熟度が上がってきている」と胸を張る。
来シーズンについては「契約も色々あるので、まだ自分でもわからないですけど」としながらも、「プレーする場所で100%、120%の中島大嘉を見せたいなと思うので、その準備をこれからしていかないとなと思っています」と力を込める。「未完の大器」と言われた男が、いよいよ覚醒の予感を漂わせている。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)















