世界が唖然とした瞬間 フランスの英雄が前代未聞の去り際…W杯決勝で起きた歴史に残る事件

元フランス代表のジネディーヌ・ジダン氏【写真:AP/アフロ】
元フランス代表のジネディーヌ・ジダン氏【写真:AP/アフロ】

2006年ドイツ大会決勝で出されたまさかのレッドカード

 1930年の創設から、これまで数々のドラマを生み出してきたFIFAワールドカップ(W杯)。4年に一度の祭典で起きた衝撃の出来事を振り返る「W杯事件簿」。今回は、2006年ドイツ大会の決勝戦で、フランス代表の至宝が見せた前代未聞の退場劇にフォーカスする。

【PR】ABEMA de DAZN、2/6開幕『明治安田Jリーグ百年構想リーグ』全試合生配信!毎節厳選6試合は無料!

 2006年ドイツ大会決勝、フランス対イタリア。世界中の視線は一人の男に注がれていた。同大会限りでの現役引退を表明していたフランス代表MFジネディーヌ・ジダンである。

 大会序盤こそ苦しんだフランスだったが、決勝トーナメントに入るとジダンが本領を発揮する。準々決勝のブラジル戦でFWティエリ・アンリの決勝弾をアシストし、準決勝のポルトガル戦では自らのPKでチームを勝利に導くなど、まさに“魔法使い”の異名にふさわしい圧倒的なパフォーマンスを披露。イタリアとの決勝でも鮮やかなPKで先制点を奪い、いよいよ2度目の世界制覇に王手をかけていた。

 しかし、1-1の同点のまま突入した延長後半、歴史に残る事件が勃発する。

 イタリアゴール前でのプレー後、自陣に戻ろうとしたジダンに対し、マークについていたイタリアDFマルコ・マテラッツィが背後から言葉を投げかける。すると次の瞬間、ジダンは無言のまま振り返り、マテラッツィの胸元に向かって強烈な頭突きを見舞ったのだ。

 ピッチ上に倒れ込むマテラッツィ。イタリア選手たちの猛アピールを受け、状況を確認した主審は、フランスの背番号10に対して迷わずレッドカードを提示した。ピッチを去る際、ワールドカップのトロフィーの横をうつむきながら歩き去るジダンの姿は、世界最高峰の舞台における、あまりにもあっけない、そして衝撃的な現役最後の瞬間だった。

 精神的支柱を失ったフランスは、その後のPK戦の末にイタリアに敗れ、惜しくも準優勝に終わる。決勝戦での一発退場という汚点を残したものの、大会を通じて別格の輝きを放ち続けたジダンには、大会MVPにあたる「ゴールデンボール賞」が贈られるという異例の結末を迎えた。

 この前代未聞の事件は、単なるピッチ上のラフプレーとしては終わらなかった。のちに、マテラッツィからジダンの家族に対する侮辱的な発言があったことが発端と報じられ、世界中で激しい議論を呼ぶことになる。サッカーの枠を大きく超え、一時は社会問題にまで発展したこの一件は、W杯史に残る最もショッキングな幕切れとして今も色濃く記憶されている。

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング